強制床暖房と「百年杉」:百年杉8ヶ条の6

第2条では「脳独自の選択」を記し、第5条では「五感による身体の変化」ともいうべき話を書きました。

それらをあわせて今回はもうひとつの具体的に床材で危惧する点を記していきたい。

それは電気であれ温水であれ、「強制床暖房」の話である。

それらの床暖房は確かに温かい。
けれども、それはもともとの住まいにはあり得なかった温かさと快感であるはずである。

弥生時代の竪穴式住居から約2000年。
パッシブな自然の恩恵をいただく知恵をもって、日本人は住まいを進化させてきたのでしょうが、現在では(電気)エネルギーを集約させて使い、自然界ではあり得ない温かさの床を作りだしている。

エアコンの冷気がわかりやすいのだが、人間が強制的に作り出した冷気は、最初は心地よいのだが…やがて「冷たく…寒く感じます」。真夏のエアコンのそばのデスクの女性が腰に毛布を巻いてお仕事…のあれである。

この世には今まで存在していなかった強制的な床暖房の温かさを、もし?脳がそれを熱いと判断したとしたら…
体温を下げる指令を出しはしないだろうか?

過剰な床暖房による弊害

最近のお子さんたちの平熱がとても低いという話をうかがう事多いのだが、強制床暖房の熱さ「脳独自の選択」との関連性はないのだろうか。いかがなものであろう。

「今や東京23区内のマンションを含めた新築時の床暖房スペックはほぼ100%だよ!」
そんなの当たり前だよ~、みたいな話を聞いたのはもう15年以上前になるだろうか?…

そんな強制床暖房のリビングでハイハイをはじめて…
歩くようになっていって…

皮膚と脳が冬季に、その床の感触を熱いと感じて、体温を冷やす指令をだしているとしたら…
昨今の子供たちには低体温が多いという話とつなげるのは乱暴な事だろうか?

体温が1℃違えば免疫力は50%~200%くらい変わってくるらしい。
もしこの推論があたっていれば、子供たちの低体温化は人災という事になる。

床暖房が赤ちゃんハイハイにどんな影響を?

安価な床材→メンテナンスが容易な床材→傷のつきづらい固い床材=冷たい床材は…、まるで氷のような冷たさで…強制床暖房が無ければ冬季にはとてもじゃないが踏めたもんじゃなく…、結果、エネルギーをむしゃむしゃ食い尽くして強制的に温めて…生涯で最も体温が高いはずの子供時代に、平熱が36度未満の子供を生みだしてはいまいか。

「傷つきづらさで固い床 、冷たいから強制床暖房 どんどん進行する低体温化」という事は考えられないでしょうか。
床を傷つけたくない考えが最愛のお子さんを傷つけているようなことは無いのであろうか。

「快感・快楽」と「健康」って難しい。
毎日好きなモノだけを食べてばかりじゃ…とか
毎日毎日、何の悩みも無い楽しいばかりの人生では…スキルを得られないでしょうしね。
苦労とか悲しさとか悔しさがあるから人は成長できるし、人の気持ちも理解できるようになる。

皮膚と中枢神経系は兄弟のような部位でして、卵子から生体ができていく段階で同じ外肺葉に属しています。

「視覚」、「聴覚」、「嗅覚」なども同じ外胚葉から生まれており、その名残りが表皮にも残っていることがわかってきています。

ようするに皮膚は単なるセンサーだけではなく、「考えて(脳に)伝えて…進言するような内臓ならぬ外臓?…のような器官」である事がわかってきたのです。

それらの事を考えてみますと、第2条で記した…、現在、福島第1原発で働いている方の鼻毛の伸び方の話も、おそらくは「皮膚」がそこらじゅうにある放射性物質の存在を感じ→脳に連絡→鼻毛増産のフル稼働指令ということが考えられます。

人の免疫力たる菌

また、第4条で記した我々の身体に付着している第3の免疫力たる菌ですが…その菌がこの皮膚→脳の連絡に加担している可能性もあります。
(菌はヒトが死ぬと自分たちの家が無くなってしまうので、ヒトが生き続ける選択を応援)

他者からの臓器移植は可能でも皮膚の移植は不可能なのです。
(それだけ重要な内臓ならぬ外臓なのでしょう)

「触覚」として「皮膚」がその感触を好適と感じるのか不快と感じるのか?を含めて、皮膚+菌が考えながら様々なお仕事をしているのが、わかってきた現在、それらのさらなる解明を待たずとも、抗菌・殺菌ではなく「友菌」たる「百年杉の床材」である「尾鷲香杉」に触れて続けている事の有用性に私たちは注目しています。

足温頭寒。
もちろん脳は高温に弱いから、健康的な基本は「足温頭寒」が良い。

足下からのぬくもりが持続する

エアコンで頭の高さの空気をいくら温めたって、頭がぼーっとするだけで…
冬季は足元が温かくなければ快適な状態にはならない。

けれども「過ぎたるは及ばざるがごとし」世の中の全ての事象は毒にも薬にもなり得るのだ。

杉は軽い木で、その内部はほとんどが空気であって、空気とは身近な素材で、最も断熱性が高い素材である。
だから杉の床は温かい。

夏冷たくて冬温かく感じる杉床

矛盾するようだが、杉床は夏に冷たいと感じ、冬に温かく感じるのは、空気の断熱材が効いているので、外気温度との比較により、皮膚はそれを心地よいと感じるのだ。

強制床暖房が不可欠な「固く冷たい床」では、スリッパが不可欠な点もマイナス要因ではないだろうか。
スリッパは靴下と違って、極めて洗浄困難なモノであり、あれを客人に勧めるというのは、衛生面においていかがなものなのだろう。

欧州人のように土足歩行であるのなら致し方ないのだが、誰が履いたものだか、いつ洗浄したのか(たぶん洗ってないのだろうが…)わからんようなモノを勧める事はどうなのであろう。

弊社にはスリッパなるものは冬季でも置いていないのだが、それによって「常識知らず」のような視線にさらされたことは記憶にはない。

家の中で土足など考えられない…清潔な我が国の【住】文化においては、スリッパ無しでもOKな熱伝導率の低い、柔らかく温かい杉のような床材を使えば、衛生面で問題のあるスリッパなど不要なはずで…

更には、「高樹齢×赤身部」の【百年杉】床材=「尾鷲香杉」であれば、五感によって身体中の様々な過緊張状態の解除とじっくりとした内臓や神経の作動への好影響に関する推論は第5条で書かせていただきました。

そしてその逆の不快な触感の床材では自律神経の過緊張や血管の収縮が常態化して、様々な病魔が狙ってくるでしょうし、私たちの身体も常に準臨戦態勢の年中過緊張状態では、逆に病魔に隙をつかれてしまわないでしょうか。

「床が変われば人生が変わる。」

というと実に大げさな響きなのですが、住まいの中で常に直接触れ続けている素材であるだけに…

決して熱くなく…されど温かく好適な触感の「百年杉の床材」に触れ続ける恩恵と、「固く冷たい床×強制床暖房」に住み続ける際の我々の身体への影響は計り知れないと思うのだが、皆さまには私の推論をご理解いただけるであろうか。

参考文献

  • 「皮膚は考える」傳田光洋著 岩波ライブラリー