最高品質の杉が使われない理由①「素材の選択」

以前記したのですが
建築において、高品質の杉がさっぱり使われない理由を
順を追って記してみたい。
弊社の「百年杉」…
そしてさらに高品質な、「(仮称)江戸時代に生を受けた杉」は
原則的にご自分で買わないと入手できません。

なぜなら
建築業界は最高品質の【杉】を使わないからです。

以降は、その構造的な理由を記していきたいと思います。

以降の主語の「私たち」とは文字通り…私たち=市民・消費者=施主予定者の事です。

建築における施主予定者の方々とは年代が多様です。
2世帯住宅の場合…早ければ20代。
住宅1次取得者層は30代後半。
そして大規模リフォームを含む60代よりの終の棲家としてのお施主様…。
そう…お施主予定者の方とは…
年代としては特定できない…それこそ多様な世代を超えた「私たち」なのです。

さて本題。

「なぜ?建築業界は最高品質の木(杉)を使わないのでしょうか?
どうして?最高の【杉】を避けて、ソコソコの杉以下の品質ばかり使いたがるのでしょうか?」

結論といたしまして申し上げますとそれは、「私たち」のスキル不足にあります。
もう一度繰り返しますが
この場合の「私たち」とは私たち市民であり、消費者であります。

私が繰り返して申し上げているSUGI話は

要約するのならば
「素材の選択」によって人生が変わるよ!というような話です。

 

最高品質たる「百年杉」やそれ以上の高品質の江戸時代の杉…
若年樹齢の香りに劣る杉や50℃以上の状態を一定時間経過させて精油分が揮発してしまって香りが少ない杉…
杉の木目が印刷されたビニル製品…

似たように見えても…この3者択一で人生が変わるよ!
…というのが私の考えです。

それは和食の考え方に似ています。
「素材の選択」時にすでに勝負はついているという考え方です。
1年を36の旬に分けて、「旬」の素材を選択した時点で勝負は決しているという考えです。

それに対して欧米の考え方は
「素材の選択はたいしたことでは無い。」という考えです。

「どんな素材であっても、そこに人間の情熱と技巧によって息吹が吹き込まれていくのだ。」という考え方です。

どちらが正しいというより自然に対しての考え方~受け止め方の違いがそこに現れています。

和食の達人の方々が皆口をそろえます。
「いくら人間が技巧を発揮しても、素材の違い~優劣を凌駕する事はできません。

人間が自然界を上回る事なんてありえないのです。」

 

ミシュラン三ツ星の…数寄屋橋の「次郎」にお寿司を食べに行ったとします。

どんな方でも、その五感を発揮して「美味しい!」と思う事でしょう。
常日頃からジャンクな【食】ばかりの人だって
「食べたことのない味だ!」と絶賛する事でしょう。

そう我々は【食】に関しては皆、一定のスキルを有しているのです。
同じメニューであっても
その品質や技巧の違いによる
価値や価格の差異を理解できるスキルを私たちは持っています。

けれども建築の「素材の違い~種類と品質」に関しては
「私たち」はそれらを理解できるスキルを有していません。

【住まい】における…

素材のチョイスの重要性。
同一素材の中での品質チェックの重要性。

これらを理解できないのですから、素材は永久に…ただただ安価なモノになっていきます。

このようの「私たち」が住まいの素材の選択の重要性を認識していないのですから
木は使われなくなりますし、ましてや更には高品質の木(杉)なんて…建築業界が関心を持つはずがございません。

何しろ、お施主様ご自身が関心がないんですからね。

 

「素材の選択」と「同一素材の中での品質チェック」の重要性を理解しながらも

自分は「木の目利き」でない事を自覚している方々のみが

弊社のHPや私のブログを読みながら、未来に備えているのかもしれません。

(つづく)