最高品質の杉が使われない理由④「ラスト おれのおれの俺の話を聞け~」

私は永らく…
なぜ?建築業界はお施主さまの【住】の違いによる「心身」ですとか…
そういった「おせっかい」を焼かないのかが不思議でなりませんでした。

というより【住の違いによる心身】のようなカテゴリーについて
なぜ?建築業界の人間じたいが【空気と身体】のような事にコミットしていかないのかが不思議だったのですが

ある時、理解できました。
これまで記してきたように
建築業界は「私たち(=市民・消費者)」のスキル不足によって
日々、こっぴどい目にあわされていますので
「私たち(=市民・消費者)」の「住と健康」のような事を
一般的に深く考える習性を持ち合わせていないのですね。きっと。
そこまでお人よしには、やはりなり得ない。
「私たち」のスキルアップにわざわざ無償で貢献し…
そこからお仕事をするような事はなかなかできるものではありません。

そうであるのなら
「私たち」の足りないスキルにあわせて…
「はいそうですね。」と相槌をうちながら
何となく雰囲気を合わせながら仕事を進める方が得策なのでしょうし
それどころか、変に「正義感」を持って介入することは、お仕事として危険でもあるようにも思います。

それに「高品質の杉」による恩恵が発揮されたとしても
それらのお手柄は「杉」になってしまいますからね。
(弊社はそれが本望なのですが、そこも大きく違います)
それでは会社の特色にはなりません。
それよりわがまま言っていた依頼者の仕事を
ちゃんと完了した良い会社の評価の方が得たいでしょうからね。
はやりつくづく…最高品質の杉を建築業界のプロは絶対に使わないのですね。

その結果、やはり「木の価値の復権」はなかなか、かなわないのです。

林材業界人は目先の購入者である建築のプロに対して盛んに尻尾を振るのですが
建築業界は「最高の木」を誰も求めていませんからね。

なにしろ使われる木(杉)は一流のタイトルホルダーのようなエース格ではなく
1軍~2軍選手を行き来するかのような…
ソコソコの選手ばかりを求められ続けているのですからね。

「最高な木材は不要。ソコソコな品質であって、ロス無く、その全部が使用可能なモノを指定した日時に納入してください。」という
建築業界の要求は…在庫せずにロス無き要望になりますから

その結果、林材業界が適正な収益を得るのは大変ですし → 更にはいつまでたっても「私たち」は最高品質の木に触れる機会はありませんから…→「やっぱ木って凄いや!」→「木が欲しい」というマーケットはいつまでたっても創られないのではないでしょうか。

ある設計士さんに言われた言葉です。
「設計全体から見れば、杉は(全体の仕事量の中では)5%も無いくらい…1%もあるかないかだ。それを君は100%だと言う。それは凄い事だよ。」

我ながら、まるで熱量が違うのである。
それだけ違えば「結果」だって変わってくるのも当然である。

【衣食住】のうち
現代社会は「食」のみが突出して留意されている印象を持ちます。
「食」は確かに大切な最重要な項目のひとつであるのですが
「食」に関する注意だけでは到達不可能なエリアがある事が私には見えてきました。

「杉があればいいのさ…ではなく…
皮肉にもここまで極端な現代の【住】環境では
【高品質の杉】でなければ到達・変革できない領域がある。」

という事です。

お子さん、お孫さんの成長の見えない天井の壁を取り除いてくれる【住】の素材。
大切なご両親や自分たちが自分らしく天に召される為の【住】の素材。

脳の創造と維持には睡眠が重要なのですが
睡眠には香り。香りは樹齢…だから「百年杉」。
安価な低樹齢の杉ではとうてい達成できない効果なのにね。

確かに「住まい」の中での「快感~あまやかしと健康」など
この10年間に考えさせられる事は数多くありまして…簡単ではありません。

「住まいと心身」に関しての一定のスキルを有するには
ある程度の経験年齢も必要であり…

されど皆が60歳以上になってからの住宅取得という訳にもいきませんので
「住まいの空気の違い」による各種の症状改善を狙うという
言わば【衣食住の「住」の食】たる空気の違いの話は
講師料不要ですので、私を呼んでいただく事が最も考え始めやすい事のひとつではないでしょうか。

「いのちを太くする衣食住」
そして残念ながら存在する「いのちを削る衣食住」
その中でいのちを太くする「住」を考えるには
皮肉にもいったん「建築」というカテゴリーを抜け出して
「金本位制度(きんほんいせいど)」ならぬ「木本位」…
いや大真面目に「杉本位制度」から考えなければ、どうやら到達できないようなのである。
(読んでてチンプンカンプンでしょうが、ぼくの話を聞けばわかるって… 笑顔)
【衣食住リテラシー】ともいうべき
私たち市民自身の【衣食住識字率】の向上しか、どうやら方法はないようなのである。
その為に「日本一の杉バカ男」の私をうまい事、利用していただきたいものなのである。

聞いてもらえればわかるのですが
【杉と住まいの空気】を知る事によって
私はバランス良く【命を太くする衣食住】を体内に取り込む機会を狙っているのである。
杉だけじゃないのである。けれども杉SUGIは重要なきっかけなのである。

(蛇足)
木は農水省~林野庁の管轄でありますが
木がたくさん使われる【住】は国土交通省です。

ですから農水省~林野庁のご指導をいただく人々は
どうしても技術に走りがちである。
森のいじり方~木材のつくり方…
これらは「お勉強のやり方」や「1日の中でのお勉強時間」のような議論であり
だからと言って、その出口~結果の「受験合格」が確約されている訳ではない。

自然乾燥、人工乾燥、低温乾燥、葉枯らし、8回挽き、月齢伐採、地域材、自伐林業、皮むき間伐…これらすべては「手法」や「アプローチ」であって「結果」ではない。
そう…高品質を保証するものでは無いのだ。

これらの手法が良い悪いではなく
これらの手法によって生産された木材がいったいどの程度の品質なのか?
という所が重要だと私は言いたいのです。

意地悪に言い返せば…
「だから何なの?この程度の木材を使ってて、まるで最高品質のような“うたい文句”はちょっとどうなのよ。」
…という事もありうるのである。

勉強したから…努力したからみんな合格ではないはずである。

そして「森の恵み」の大量の出口たる建築業界と国土交通省から見れば
「建築全体からみれば“木”なんて“杉”なんて1%にも…」という前述の分析通り
そこに木や…まして杉にコミットする熱量は無いのである。

繰り返します。

木の恩恵の度合いの目安は「香り」。
「香り」の無い木の恩恵なんて、たかが知れています。
香りで選べば杉。
香りの濃厚さは樹齢に比例。
だから「百年杉」。
そして「(仮称)江戸時代に生を受けた杉」。

けれどもこれらの高品質杉はプロ任せにせずに
ご自分で入手しなければ、手に入れられない時代なのです。
それが証拠に、すでに「食」がそうではないか。