世界の賢者たる欧州に杉無し(集中連載23)

まったく表題の通りなのである。

 

樹木の精油分…エッセンシャルオイルと呼ばれるモノ。

その精油分をたくさん保持している場所は実は葉っぱである。

だから精油分の効率的な採取には葉っぱ。

 

いわゆる「葉油」。

 

こちらには大量の精油分が含まれていて

木材の「材油」とは桁違いの量が含まれています。

ぼくがいつも言う材の精油分の100倍だか1000倍だかわからないけど

どうやら桁違いらしい。

 

大量の精油分ですからね。

いくら鎮静効果の杉とはいえ

大量にあればその芳香は刺激的です。

 

存在する成分は似たようなモノなのですが

その量が違う事による変化ですね。

香辛料とかを考えてもらえれば

理解しやすいでしょうか。

 

辛くなったり…

中辛になったり…というあれ。

 

杉の「葉油」は

いわゆる生薬配合のような…表現にて

発毛促進剤などに調合されていると聞いたことがあります。

 

こういった

大量の精油分を有する「葉油」は

漢方ですとか、いわゆる「薬効」を持つ薬の原点なのですが

 

第6話にも書きましたが

「薬効たる効果がある物質は、必ず他の部位に毒性をもたらす。」

の定義を考えますと、もちろん危険というつもりはないけれど

頻繁に…継続的に…お世話になり過ぎてしまうと…

いかに「植物の力」とはいえ

「問題を解決する事による新たな問題の発生」が気になってきます。

 

私が常々申し上げている

杉の「精油分至上主義」なのですが

「葉油」と比較すれば、実に極少量なのです。

 

「薬効」のような劇的なパワーを有している訳ではないのです。

 

ただし、そうではなくて…

微弱な森の香りである杉の芳香と

足裏より伝わる精油分豊富な

しっとりとして柔らかく

そして温かい百年杉の赤身床=「尾鷲香杉」の

「心地よさ」を脳に伝え続ける生活による

「未病の住なる素材」なのである。

 

住まいに「香る木」があり

超微弱な精油分を超長期に渡って

芳香として感じてミスト状に吸引。

脳は「安全…安心な空気」を感じ取って

自律神経をほどよく弛緩させて

内臓の各臓器は「順調な状態」のシグナルを脳より受け取って

順調に作動を続けます。

 

これってガンになりづらい感じがしません?

なったとしてもすぐにやっつけてしまいそうな気がしません??

そう「未病の木」。

 

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更に脳は「香る木=杉」の芳香の吸引を

心身にプラスと判断

鼻孔を全開にして、「安全…安心な空気」の大量吸引をもくろみます。

大量に入ってきた空気中の酸素という

いわゆる「呼吸が深い状態」は

大量の酸素が脳に到達して

「脳の発達」と「発達した脳機能の維持」に使われます。

 

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健康というより未病。

「超微弱な精油分との長期に渡る持続的な接触がもたらすhappy」

 

けれども

このような学問は、この世に存在しません。

なぜ???

 

それは世界の賢者たる欧州には杉がないからです。

 

もっと詳しく言うのなら…

欧州の大地は

我が国と比較して湿度が足りない森の為

多様性を欠いた森の恵み=木材は香りのしない…

精油分が少なく…対候性に欠けて

(外部放置すれば)早々に溶けてなくなってしまうような

木ばかりなのです。たとえ固くとも香りの無い木…。

 

ですから…

「香る木を建築素材に使用する事による長期に渡る人間の健康との関係」

なる学問が欧州にはないのですね。

 

だって「香る木=杉」が無いのですもの。

しょうがありません。

 

けれども

やはり「植物の力」を欲する

遺伝子的な本能が欧州人にもあるのでしょうね。

 

「アロマ」という形で

大量に精油分=香りを保持する「葉油」を利用して

人体の鎮静効果を得ようとする学問・文化が花開いています。

「香る木=杉」が無いから

「葉油」を利用するしかありませんものね。

 

事実、私は欧州の人に百年杉の芳香を嗅いでもらった際に…

「この木にはフレグランスを注入したんだね。」と言われることもありました。

これって日本人では絶対にあり得ない返答でしょ。

それくらい欧州人と我々とでは「木…香り」に関しての

価値観が違うのです。

 

そうやって考えてみれば

「香る木を建築素材に使用する事による長期に渡る人間の健康との関係」

なる研究は我が国にしかできない分野なのですが

それもできないでしょうね。

 

それくらい

我が国の学問は欧米の影響を受け過ぎています。

 

皮肉を交えて申し上げるのなら

「香る木=杉」があるのに、その有用性を感じない人ばかりです。

またエビデンス…エビデンスと言うけれど

「香る木」が無いから

「香る葉」からの文化を作ってきた…「吾輩の辞書には杉は無い!」という

異国の人たちの影響を強く受けた学問による検証で

どうやって一属一種の我が国固有種の「百年杉」のありがたさを証明しようというのでしょう。

 

海がない所の人に

クジラの研究をさせるがごとくでしょうか。

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「葉油」の継続的使用は

その精油分が強烈過ぎるために

その使用の慢性化による新たな問題…

あまやかしによる弊害…それが無くては耐えられない。…それをいつでも欲してしまう…

…そんな新たな問題が発生する方向性も感じます。

 

「葉油」の使用という発想は、それはそのまま「薬の使用」という発想なのです。

(薬の存在全てを使用いたしませんが…)

でもこの欧州の発想は致し方ありません。

だって杉がないんだもん。

 

やはり「葉油」はとても調子が悪い際に

適宜適量を使用してお世話になるものではないでしょうか。

 

過ぎたることは及ばざるがごとし

 

なにしろ我が国には杉という常に微弱な精油分をふりまいてくれる

ありがたい木があるのですから。

 

住まいにおいては

気密性とか断熱性とか

もちろんそれらも重要なファクターのですが

このままでは、おそらくいつまでたっても

人の脳が求めている「住」の「空気=香」と「触感」の実現

…のような発想にはなりません。

 

人ではなく…脳が好適ととらえる事によって

自律神経も各種の臓器もあるべき作動をすることによる未病の素材。

 

強制床暖房は「温かく」…人は快感を得られるでしょうが

そんな床でハイハイさせて、成長していけば

「脳」は不自然な人造暖房装置を「熱い」と感じて

体温を冷やす指令を出しはしないでしょうか?

 

夏は夏で体温を冷やす指令…冬季も冷やす指令となれば

平熱が低体温の人間がいっちょうあがり!…にはならないでしょうか?

(平熱が1℃下がれば免疫力は50%くらい下がると言われています)

人の「喜」ではなく脳の「喜」。

 

現在の状況が

木の目利きのプロの多くは不勉強で

木の有用性の探求者の方々の多くは木の目利きではない…

というアンバランスさもあるのですが

木の国にっぽんにおいて、木の国の住人には残念ながら

「青い鳥」が見えないような感を持ちます。

 

 

杉は薬でも医療行為でもありませんが

私が10年近くやってきたこと…

「杉の効能」の証明には

残念ながら何らかの不都合をお持ちの方々に

(推論をたてて)杉を身近に置いて試してもらって、その症状改善の個人の感想をいただくことが

わかりやすいと考えてトライをしてきました。

 

夜間多尿症…不眠症…うつ病…発達障害…先天性脳障害…認知症…アトピー…

 

それらの結果を受けて今思うのは

治療治癒ではなく

言わば自力アップ!による各種症状の改善(の個人の感想)。

 

という事は

本来は病気になりづらい為の

「未病の百年杉」なのに

現状の「住」環境があまりにも劣悪なので

「百年杉」による各種の症状改善事例が生まれている推論を持ちます。

 

弊社のトライしていることは

学問でも何でもないのですが

 

ほぼ誰もやらない状況が続くのであれば

やり続けなければなるまい。