効果が高いSUGIこそ「百年杉」:百年杉8ヶ条の8

わが国の国土の森林の再生のスタートは植林にあらず。
杉の活用(国土の森林の45%が人工林で更にそのうちの44%が杉である)であって、更には活用のみではなく、環境との両立をはかっていかなければなりません。

その為に弊社では約10年間に渡って、花粉に代表される厄介者扱いの杉のストロングポイントは何なのか?!
私たちの何に杉の何がどう働きかけてくれるのか?!を探求してきました。

杉の何が我々の何にどう働いてどんなhappyが訪れるのか?
その推論を…論拠を明らかにして記してきたのが前述までの第1条~第7条です。

第8条では、効果効能が高く得られると考えている杉と、そうでない杉についてです。

ポイントはズバリ!
「豊かな芳香の杉」であることです。

そして芳香は樹齢に比例しますから「高樹齢の杉ほど各種の恩恵の効果も高い。」という事が言えます。だから弊社は「百年杉」

そう…木(杉)の価値を節が無いから(希少価値より)高いとか…
地元産だからだとか…そういう時代は終わりにすべきなのです。

品質で選ぶべきなのです。品質は香りなのです。

逆に地元産を勧める考え方の根底には「木なんてどこのも一緒だろ」的な考えが見え隠れしていて「木のプロ」としてはあまり愉快な感覚ではありません。

怠け者の嘘つきの同一都道府県内の業者よりも、働き者で向上心を有する他の都道府県の業者とお仕事はしたいものです。
行き過ぎた「地産地消」のような“えこひいき”は…
高品質な高樹齢杉材の生産を、額に汗して頑張る林産地の方々の不当評価につながりはしないでしょうか。

地元の香りの少ない杉よりも、他県の香りの濃厚な杉の方が効果は高いのです。

豊かな芳香の杉ほど、価値があり多くの恩恵があると考える事

杉と私たちの身体との関係を考えれば「杉は香りで選ぶ」というのが合理的なのです。

地元の木だからOKではなく、地元の杉の中で香り豊かな杉を選ぶことが肝要なのです。でもそう考えれば選ぶエリアが広いほど、より香りの濃厚な杉にたどり着きつきそうですよね。

地元産というエリア限定の考え方じたいが、品質選択を放棄して高品質な杉との出会いを阻害してはいないでしょうか。

杉の恩恵は多々あるのですが「屋内空気を変える」大きな点は2つあります。

  1. 屋内空気中に存在する汚染化学物質の吸着固定化という空気浄化能力
  2. セドロールなどの我々にとっての鎮静効果のある物質の放出

これらはいずれも湿度変化時の吸放出時=「呼吸時」におこなわれます。
湿度が上がると杉は湿気を吸います。

その際にNO2(呼吸器系疾患の主因)などの汚染化学物質を吸着して、その体内に有する抽出成分(湿潤な林内に数十年間~百数十年間あって長きに渡って熟成してようやく得た自然界の化学物質)をもって、汚染化学物質と結びつけて別な安定化した物質として、その体内に固定化してくれています。

杉は汚染化学物質を吸ってくれて、更にそれを吐きださないで保管しといてくれています。

木はみなこのような作業をしてくれているのですが、杉は身近な一般的な木の中で、この空気浄化機能がダントツです。

次に鎮静効果物質の放出です。

湿度が下がると、杉は湿気を放出します。
その際に杉は吸収した汚染化学物質を出さずに鎮静効果のある恩恵物質を放出してくれます。

この鎮静効果物質を我々は「香り」として認識しています。

「香り」の源は精油分(=エッセンシャルオイル)とよばれるモノです。
屋内空気を浄化してくれる抽出成分は香りがしませんが、その量は精油分と比例すると経験的にとらえています。

そしてそれらは樹齢に比例して多く保有すると考えています。
香りが濃厚な杉ほど効果が高いというのはそういう事からです。

杉はまったくありがたい存在です。

電気もいらずスイッチの入れ忘れも切り忘れも無く、湿度変化時の吸放出活動=「呼吸」によって空気浄化と鎮静効果の放出を続けてくれます。

例えるのなら…
「人の借用書を持っていって、その借金をかわりに払ってくれたばかりか、恵まれない人々に現金を振りまく“ねずみ小僧”かのようです。」

ほんとうにありがたい。雨の日も風の日も…。ほんとうにありがとう。

そして杉はとても軽い木です。
軽いという事は、その内部の多くは空気ですから、それは大量の吸放出=調湿タンク容量がある樹種とも言えます。たくさんの調湿活動によって50%の湿度維持状態が実施できればインフルエンザウイルスの97%は死滅します。杉はこういうパッシブな恩恵ももたらしてくれるのです。

第2条で記したように「脳が好む百年杉の芳香」の話も、脳が心身にプラスと判断して鼻孔や皮膚に全開の指令を出しているのであれば、これもやはり「高樹齢の杉」ほど、その効果が高いという推論が充分に成り立ちます。

さらに香りの濃厚な杉の要因を続けます。
杉は、極端な部位による各種活動の大きな差異と個体差が激しい樹種です。

冒頭の「百年杉とは…」の項でも記しましたが、空気浄化と鎮静効果物質の放出作業の源である抽出成分と精油分は沸点が50℃弱くらいなので、それ以上の温度下にて長時間人工強制乾燥した杉は、それらのありがたい成分の多くが揮発して少なくなってしまう事が予想されます。

そして、そのような杉は空気浄化や恩恵物質の放出機能も著しく下がると思います。あぁもったいない。

50弱℃以上の温度に達する人工乾燥装置を使用しては、香り=効果が少なくなります。

同じような樹齢の杉でも個体差はありますし激しいです。
年輪の冬目とよばれる線を書いたように見える所が、太くしっかりと書かれたような生命力のある杉は精油分豊富な丸太の見分け方です。
それ以外では赤身部の色の濃い杉材の方が抽出成分も精油分も豊富だと思います。

ピンク色の赤身 → 朱色の赤身 → 赤ワインのような色の赤身 → づけマグロのような赤身 → 黒っぽい(黒心とよばれる)赤身

…のように次第と色が濃くなっていくと抽出成分も精油分の質量も比例していくと思われるので、空気浄化×鎮静効果など作用も増すでしょう。

また同じ丸太の赤身部でも赤身部の外側寄りの場所の杉材の方が精油分は豊富で、同じ赤身部でも、その内側にいくにしたがってそれらは減少するので、空気浄化機能&鎮静効果物質にも差が出てくると思われます。

一般的に赤身の内(成分が少ない)か?外(成分が多い)か?の見分け方は節が多いのが内側。節が小さく少なかったりして、節が無い板が外側になります。

同じ丸太の赤身部でもその外周寄りの部位の方が色は濃く香りが濃い。それらの部位は一般的には節の少ない部位であるので、節の少ない部位の方が精油は濃厚で香りが豊かだと考えていい。

丸太の外側の白太(しらた)と呼ばれる部位は抽出成分がほとんど無いので、それらによる空気浄化は見込めないし、香りもしない為、鎮静効果も無いと思われます。ただしその体内に存在する「水分」による空気浄化機能は(木はどんなに乾燥しても水分がゼロにはならない)有しています。また湿度変化時の湿気の吸放出量=「調湿作用」は赤身部より大きいというメリットがあります。

白太部は香りがしないが、赤身部より調湿作用の容量は大きい。ですから洗面室の壁材などに向いている。

同じ赤身部でも「こぐち」と呼ばれる、木が大地にあって天と地を指す部位の方が、その抽出成分によるNO2浄化能力が3~4倍高いという実験結果があります。ちなみに「こぐち」という部位は板目材の100倍の反応速度で湿度変化時の「吸う」「吐く」の動作を俊敏に極めてツイスティにおこなうので、それらの特性による影響もあると考えられます。

「こぐち」部は「板目部」よりも香りも強く、調湿反応速度も100倍に達します。

高樹齢杉の「こぐち」部を有効に使うデザインによって、より「百年杉」の恩恵を効率よくいただく事は可能である。

弊社製品 「こぐちパネル」(ウッドデザイン2015受賞)、「眠れる森のSUGI【こぐち】」(ウッドデザイン2015受賞)「こぐちキューブ」(ウッドデザイン2016受賞)

長々と記してきましたが、多湿な産地であるとか、ファクターは多くあるのですが…
冒頭の「百年杉とは…」でお話してきたように…
「効果のある杉は“香り”で選んでください。」
「香りは樹齢です。だから“百年杉”。」に戻っておしまいです。

つくづく杉SUGIは香りで選んでほしいのですが…
ヒトや企業も「杉SUGIの香りが漂うような事を言うヒトや会社」から選んでは頂けないだろうか?

香る杉SUGIはもちろんのこと、弊社とつながっていただければ、様々な「百年杉の経験」をご助言可能であると自負しております。

たとえ遠方でありましても、お施主様自らが弊社にお問い合わせいただけるのであれば、「百年杉」そのものだけでなく「百年杉の施工の知恵」も含めてお届けいたします。

弊社代表の加藤政実の10年間に渡る…様々な不都合をお持ちの方々を含めた「百年杉」の体感事例による「個人の感想」という「百年杉とヒトの身体」の引き出しがお役に立つのであれば、こんなに嬉しいことはありません。

杉はどれでも同じどころか…実に個体差の激しい樹種であり多種多様という事は、文中何度も記させていただきました。
それは…「杉は人のよう」「人は杉のよう」な感を持ちます。
この世に同じ杉も無く、同じ人も無いどころか、まったく個体差が激しいのです。

「杉SUGI選びはヒト選び」です。

皆様方が、「百年杉」というモノだけをお求めにならずに「百年杉の加藤木材」というヒトもお求めになっていただけるのであれば、それこそが私たちの最大の喜びでございます。

個別のご相談やご質問には時間がかかっても必ずお返事いたします。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。

参考文献

  1. 「森を育て健康で快適な住まいを創る」 京都大学総合生存会館 川井秀一先生
    2015年1月11日 日本の杉セミナー資料
  2. 「樹木香気成分の吸入による神経・生理に及ぼす効果」岐阜大学応用生物科学部 応用生命科学過程 分子生命科学コース 光永 徹先生
    2015年4月4日 日本の杉セミナー資料
  3. 「植物の香りと生物活性」谷田貝光克著 フレグランスジャーナル社