先日は得難い経験をしました。
横浜の三ツ境という駅から歩いて30分くらいでしょうか
横浜市で保全されている緑地を
極めて素晴らしい先輩ガイドと
やはり気の利いた…そして環境を大切に考える知識豊富な友人と一緒に合計4人で歩きました。
秋雨の秋分の日…
いやぁ湿潤な森のなんて素晴らしい空間。
湿潤さは命の多様性を生みます。
雨の森のなんと気持ちの良い事と言ったら…
ぼくは喉がちょっとヤラれてたんだけど
回復どころか…上積み感さえあります
あぁ、ありがたきかな湿潤な森たちよ。
湿気はあるんだけど
こもっていないというか…
山の斜面からは湧水が出て、それが集まって流れとなって
台風などの倒木の跡にも、戦後左右から待ってましたとばかりに
枝葉が伸びていて、適度な湿潤なドームを形成していたり…
あぁ、湿潤な森こそが
命の幾重にも折り重なりを感じられて…
微生物、菌、植物、樹木、昆虫、野鳥、動物…
そこに我ら4人も入れてもらって
誠に多様な命の出会いと重なりなのである。
いやぁ、改めて再認識。素晴らしい。さいこー
湿潤な森の恵みこそが【杉】
さすがに林産地ほどのルックスまではいかないが
価値ある杉も散見されました。
(これを見てくれと言われてやってきたのです)
杉は湿潤な森の恵みです。
杉が育つような湿潤な森には、実に多様な微生物やら細菌やら生き物やらが存在して
それが杉の材としての「木力(きじから)」になっていると私は考えています。
世界の賢者たる欧州の乾いた大地では
多様性に欠けた森になりますから
材に香り(=精油分)があるようなパワーウッドが存在しません。
たとえ固さはあっても、外部放置で溶けちゃうような、「木力」が無い木ばかりなり。
だから彼らには
「香る木という…植物の精油分を数十年単位という超長期に渡って吸引する事による健康」のような学問が無いのだ。
本来なら我が国こそがそういった学問を広げていくべきなのだろうが
我が国の学問は、その欧州の影響を受け過ぎていて、やはりうまくいっていません。
更には
しかししかし…湿潤な森も熱帯雨林まで高温多湿になってしまうと
種類が豊富でも個体数少なくて、木だろうが何だろうが
その恩恵をいただこうにもすぐ絶滅しちゃう!
(乾いた森は種類は少ないが、個体数は豊富。カナダの映像見ると同じ樹種ばかり生えてるでしょ)
過ぎるとこれまた、森の恵みを生かしずらいのだ。
我が国は雪が降るのに、多湿な梅雨がある世界でも唯一といってもいい陸地です。
適度な湿潤さを持つという絶妙なバランスの奇跡の陸地であり
【杉】こそは、そこで生まれた一属一種の財産なのだ。
(杉の学名の和訳は「隠された日本の財産」)
同じ多湿でもブラジルやベトナムよりはましだから個体数もある!
杉の素晴らしさの恩恵をいただくだけの杉の個体数があるのだ!
たかがギターの音色が良いというだけで
ブラジリアンローズウッドという樹種を絶滅させちゃうくらい
我々は人類は賢くないのだから、身体にイイなんてなるとひとたまりもあるまい。
これだけ言うこと無し!の絶妙な多様性と数量のバランスを持つ自然を有し
更には全国にくまなく杉というパワーウッドを植林したのに
それらを放置して、欧州よりパサパサの弱っちい木材を輸入し続ける我らって
いったい何なんでしょうね。
肝心の人間に多様性が無いよね。
そういえば3時間も緑地を歩いたのに
誰一人すれ違う事なかったのもちょっとビックリ。
真夏はきびしいけど
秋雨の湿潤な森に入れば
たいがいの身体の不調な症状は緩和されるのにね。
特に喉とかね。
保全された緑地のありがたさとして
秋雨の湿潤な森を歩いて元気になっちゃおう!…とか発信すれば
もっと人は来るだろうにね。
でもそうしちゃうと
「(あんまり)元気にならなかったぞ!」とかのクレイマーさんの電話も鳴るし
人が増えれば、ゴミとかマナー違反が増えるから
横浜市民には悪いけど「元気回復の湿潤な森」の事は内緒にしとこうか…
ゴミと言えば、緑地を横切る高架陸橋道路の付近には
明らかに植生の異なる外来種の野草が散見されて
中には我が国で未確認の外来種の野草も発見されたそうだ。
近くにかつては米軍基地もあったのだから
そういう事か…。
多様な湿潤な森で
やはり多様な情報を教えてくださる先輩ガイドの解説と
ユーモアあふれる我ら4人のやり取りと…
まったく最高な森歩き3時間であった。
終わってからは
久々にシンプルベジの久保さんと合流して横浜で一杯。
またまた、「農」と彼の基軸に触れて勉強させていただきまして
なんとも豪勢な秋雨の一日となりました。