「200年杉」に触れる…。
凄い迫力だ。
年輪の力…あぶらのノリ…気品…すべてが違う。
杉は樹齢で言うと80年くらいで黒帯になる感を持ちます。
それ以下の杉とはまったく違う雄々しさが出てきます。
だから「百年杉」は樹齢80年~120年というカテゴライズ。
その次は樹齢150年くらいでまた新たに昇段ではないだろうか。
120年の杉と150年の杉との間には明らかに違うステージであるように感じます。
120年くらいの杉はもうずーっと触ってきました。
「いい木だなぁ…」という感じ。品がある人。時々会うみながよく言う人。
150年生となると、芳香ももうワンステージ明らかに濃厚さが違ってきます。
なかなか会えないかけがえのない人。
150年前ってことは江戸時代→明治時代に植えられた杉です。
そしてこの木は樹齢200年。

すごいにちょっとこわいがはいる感情。
まさしくこれが「畏敬の念」というヤツか。
たんなる「素材」としてのみ扱う気持ちを持つとバチが当たる。
そう考えると…「いやいや若年杉だって同じ”いのち”!粗末にしちゃいけない。」となっていきます。
人って千差万別。
だからヒト選びも大事。
「住まい」においても工務店選びや設計士選びはとても重要。
でも杉なんてどれも一緒じゃないの?…が今の世の中。
ビニルと木という選択において
どちらにしたって「結果」が変わらないという前提で現代建築は成り立っています。
だからどの家にも木が無い。
それでもいやビニルと木じゃそこに住み続けて
「結果」は変わってくるという一部の建築のプロもいらっしゃる。
しかしそれでも杉の品質の差異による「結果」の違いまでは誰も信じていない。
「杉なら無害だから安価な若い杉でいいよ。」…
60年杉と「百年杉」…更には「200年杉」が住まいにあることによって「結果」は明らかに違うと私は確信している。
昨年の秋から私は意識して200年杉を触り続けて
そこを探求してきました。そして実際に枕元に「200年杉」を置いて体感し続けてきました。

200年生ともなると
木材内に「腐れ」がある場合もあります。傷を受けた影響からの場合もあるでしょうし
長い年月がこういうところからも見て取れます。
木は…杉は外周部の「白太(しらた)」の外側と樹皮の間さえあれば
そこで水を吸いげて生きていけます。
内部に腐食が進んで空洞になっても木は生き続けるのです。

世の中、持ってる人はいるもので
昨年ご協力させていただいた「六本木アートナイト」のアーティストのサポートをしている方から
ちょうどメールがあって、「200年杉」の端材も行先が決まりました。
電車に乗ると、そばの人が皆ぼくをガン見します。
そう…私の身体から発せられる「200年杉」の香りでどうやら凄いことになっているらしいのだ(笑顔)。