『百年杉』の専門会社 加藤木材

まずこういった多様で違うニーズのある方々を募集して
さらにある程度の目的の達成を
全員に体感してもらうことは実に困難であり
もう開催しないことを事前に宣言していました(歳だしね)。

これからは個別に目的が明確な方のみをお連れすることにしたい。
この手法では、コスト(お金のみではない)があわないのである。

そして次にこの手のイベントにて
「林材業界+建築業界」がおこなう際の内容は
いわゆる伐採~伐倒感動ポルノがメインであり
事実上…中身はそれだけのケースが多いように思う点を指摘しておきたい。

樹齢100年の木の
成長を前提とした“いのち”をいったんいただく伐倒を
目の当たりにすることや
さらには実際にチェーンソーに手を添えたりなどの経験は
もはや本能的に心を突き動かされる行為であるから

まさに性的な衝動に近い感動ポルノであろう。

その慟哭を経験させて
「メロメロにさせちゃえばいいのさ。」
というのはいかにも「林材業界+建築業界」の男性が考えつきそうな
品格に欠ける企画ではないだろうか。

今回も企画途中でそういった要望に近いものが無かったわけではなかったが
わたしは実施しませんでした。

「考える機会」を得に参加していただくのであって
思い出のすべてが感動ポルノになることを避けたかったのである。

また参加者の方々は
気を悪くならないでいただきたいのだが…

たった1日や2日
林産地に言って見聞きしたくらいで
身体中に染み渡ることなど無理なのである。

その気になった気がするだけである。

わたしは「山の民」と「里の民」との「通訳」のような立場なのだが
どちらが良い悪いではなく
もうまったく違う人種なのである。

わたしもそうだが「山の民」のお仕事は
日本の木で里の人間を幸せにすることを専業としているわけであって
これしか収入が無いのである。

里の人間のお仕事のように…
今日は石油製品で、明日はアルミニウムで…
というような
金になればなんでもOKという節操の無さではないのである。
(参加者がそうであると言っているのではない)

また里の人間は
とにかくお金を出せばなんでも入手できると考えている節があります。
そして在庫もせずに
欲しい時に欲しい量の木を安く求め続けて…
多くても×。足りなくても×。
早めに持って行っても邪魔くさがって…
遅いと大声でクレームを叫ぶんですからね。
恥知らずな人種であることが
チラチラと袈裟の下から見えるのである。

また山の人間の
勉強不足や熱量の低さも悲しい。
(受け入れてくれた山の人間がそうであるとは言っていない)

補助金頼み…政治(家)依存…。
多様性を認めない閉鎖された価値観も酷い。
特権を与えられて保護され続けている
森林組合が最たる例であろう。

「日本の木が使えない」のではなく
「山の民」が使えないだけなのに…

「いったん候補から外れてしまえば、二度と声は掛からないのである。」

いつでも日本の木が候補になるように
頑張り続ける情熱も知見もないのだ。

弊社はかつて雄々しくそびえたっていた頃に
虫に喰われた小さな穴(ピンホール)を
自然素材に近いパテで丁寧に埋めて…

「生物多様性に貢献した木が、あなたの住まいにやってきます!」と

お客様にお話しして
喜ばれているのですが

「無知な施主→無知な施主の言いなりの建築業界からのピンホールのクレーム」を

ひっくり返して賛意に持っていく
情熱も知恵も無い人間ばかりなのが「山の民」である。

この山と里の両者が伐採感動ポルノのみで握手するっていうのも
考えてみれば、実に日本的な
どうでもいい(予定)調和なのかもしれない。

さて本題に入ろう。
世の中の人間は大別すれば2種類しかいない。

こういう企画を意図して参加者を集めて
さらに「参加して良かったわ」との結果を出す
「膳(ぜん)」を据えられる人間と

ただただ、一生、据えられた「膳」を
「おいしい!おいしい!!」と
食い続ける人間である。

わたしは参加者に「食い逃げ禁止!」と
わたしに対する謝意は不要だから
あなたも実行しなさいよ…と…うながしたが
さて、どうなるであろう。

自分がヒトを幸せにした…なんていうのは「膳」ではない。
大人として当たり前の行為である。

他者を他者に会わせて
狙いをもって化学反応を起こすことが「膳」であるはずである。
そしてその化学反応に必要なのが自分の「個」ということになるのである。

多くの「里の人間」に共通する「いいとこどり」のご都合主義では
ヒトも集まらないし、ヒトも受け入れてくれまい。

不動の言動一致の継続たる人間性が無ければ
「膳」は据えられまい。

参加者の、その達成をもって
本イベントの成功としたい。

おれにできて
あんたらにできないわけがあるまい。

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