『百年杉』の専門会社 加藤木材

骨なしの俺

『百年杉』の専門会社 加藤木材

わたしが埼玉県上福岡市(現在のふじみ野市)に住んでいた上福岡市立第5小学校時代…
まだ地域コミュニティがあった時代でしたから
夏休みなどは…
下は低学年の子の面倒まで年長者のわたしは見させられていました。
年下の学年の子の勉強を教えた記憶もあります。

そんなご近所には「野口さん」というおじいちゃんが
立派な平屋の木造住宅に住んでいて
ぼくは結構怒られた記憶があります。

ご近所だけど他人のわたし(孫くらいの世代差)に
「年長者のふるまい…視界…目さばき…把握(危険察知とかも…)などなど」
実に多くのことを教えていただいた気がします。

実際には「怒られている」感じでしたが
わたしに「育てがい」を感じていただいたのか
「言って諭す。」と…継続的にかかわっていただきました。

その後ずいぶんとわたしも大きくなって
赤い「ピアッツァネロ」という車を買って
野口さん所有の駐車場に止めて置いたら

「朱色か…赤かい?…なんとも言えないイイ色の車だなぁ。」

とわたしに話しかけてきて
野口さんとの「笑顔で世間話」はこれ1回きりしか記憶が無いので
鮮明に覚えています。
それにISUZU製造 YANASE販売の「ピアッツァネロ」という車は
その性能よりもデザインが評価されていた車だったので…

「色かよ、野口のおじいちゃん?!」

とも思いましたから余計に鮮明に覚えています。

報恩をその方にお返しする事はたいへんむずかしく…
野口のおじいちゃんに教わった“大人としてのふるまい”に関するご恩は
やはり野口さんご一族には返せませんでしたので
他の方に返していかなければいかないのですが

どうやらわたしの代で「ご恩」の継承を途絶えさせてしまいそうで
わが民族の継承を途絶えさせてしまう最後の日本人として
今は無き野口さんに実に大変申し訳ない気持ちなのである。

だっこヒモの後ろでスマホを操作するママさん…

「電磁波が!赤ちゃんの脳に!!」

赤ちゃんにスマホを見せてあやすママさん…

「ジャンクライトを見せると赤ちゃんが眠れないよ!」

明らかに幼稚園児くらいの子に
一時的に“静か”にさせる為にスマホゲームを教えているパパさん…

「こどもは我慢できないからこどもなんですよ!WHOもゲーム依存を病気として発表したんですよ!」

盛り場などでも
ほぼ「声がけ」されないわたしが近づこうものなら…
もろ「不審者」でしょうから(苦笑)

身悶えて…がまんがまんをし続けてきた
わたしだったのですが
最近はあまりの多さに
「あきらめて」身悶えもしなくなってきました。

ごめんね。野口さん。おれで終わりだわ。
大和魂。…「良質なおせっかい」…「骨のある男」は野口さんまで…でした。
骨なしの俺…。

こうやって何かをあきらめて
大切な何かをぼくは失っていくのかもしれない。

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