『百年杉』の専門会社 加藤木材

先日、輪ゴム鉄砲づくりワークショップで、感動的な経験を有したので
ご報告させていただきたい。

その子は5歳の年長さんの女の子です。
いわゆる発達障害の子なのですが
超未熟児にて、この世に出でたので
発達障害と言うよりは
よくここまで発達してくれたという感動を禁じ得ない子なのです。

その子は自分で作った、自分の輪ゴム鉄砲で「的」を狙って遊んでいたのですが…
「的」には真ん中に、「焼き鳥のくし」みたいなのがあって…
それに輪ゴムが引っかかったら300点!(かなり困難!)
それ以外はゾーンによって10点~30点~50点~100点という表記がしてあります。

その子は、「赤の所に入ったよ!」と…どれだけの点数なのかを
わたしに聞きながらプレイしていたのでした。
彼女が50点と30点との差異をどれだけ感じているのかはともかく
とにかく、真ん真ん中の300点を目指して遊び続けていました。

そうしていると…輪ゴムの「弾こめ」もスムーズにできるようになってきます。
自分でひとりでサクサクできるようになります。
ここまで僅か30分もかかっていない。

そしたら…たまたま後から来た男の子がサクッっと300点達成!(驚)

彼女はそれを見て、300点が可能な事と認識したのでしょうね。
益々、燃えて(笑顔)遊び続けます。

保護者であるママさんは、わたしとリフォーム工事のご相談の打ち合わせだったのですが
図面を家に忘れたとの事で、1回彼女もいっしょにご帰宅。
そしてやがて、満面の笑みで
肩から【百年杉】輪ゴム鉄砲ぶら下げながら再登場(笑顔)。

そして、いきなり何を言うかと思えば…
「(家に帰ったら、高校生の)お姉ちゃんが、ずっと鉄砲で遊んでいた。だからお姉ちゃんの分も輪ゴム鉄砲を作った方がいいのではないか?」と言い出しました。

ママに聞けば、確かにお姉ちゃんは、ずっと妹から取り上げて遊んでいたそうな(笑)…。

でもこれって凄くない?

自分の状態がある程度happyじゃなければ、姉ちゃんの為のお節介なんて焼けないよね。
自分が風邪ひいたとき思い出してみて!
そういう時は自分の事しか考えられないでしょ。
でも彼女はお姉ちゃんの幸せまで考えているのよ!凄くない?

 

輪ゴム鉄砲づくりワークショップ
(この写真の子たちは本文とは関係ございません)

 

それからも彼女は300点へのチャレンジを続けていきます。

今回の場所はお店の前だから=歩道だから、歩行者や自転車が通るから
トラブルも予想されるのですよ。
もちろん、それはぼくらが予防していたのだけど
この子ならいけるかも…と思って

「いいかい。ここはヒトも自転車も通るよね。特に自転車は…“見えた”と思ったら、速いから、もう、すぐに目の前に来ちゃうよね。だから、“的(まと)”を狙う前に、右見て…左見て…両方とも大丈夫だったら、そこから前見て…狙って撃とうね!」

やっぱ、撃ちたい気持ちが強いから
ぼくの言葉をすぐに忘れちゃうから…

「ほら右見て左見てでしょ!」って
時々言ってたんだけど

ほら奇跡が起きた!

自分から言われずとも
右見て…左見て…ヒトがいたから「狙う」のを辞めてる!!(驚)

あ!またやれてた!!左右見てから確認して撃ったわ。
凄いや。この子!!

そうこうしてるうちに、山の神様も気づいてくれたのか…

シュ!(発射)…竹串にブランとぶら下がって300点達成!!!

あと、この子は「鉄砲を撃ちたいのなら、わたしが教えてあげる。」って
何度も良いおせっかいを、後から参画した子に焼きたがっていて
まったく感動でした。

スマホをしながら歩くばかりか、チャリでスマホとかね…。
大人でもいけないとわかっているのに、やってしまう大人がこれだけ多いのに
この子はちゃんとヒトに迷惑をかけないように遊ぼうとしていて…
しかも、その楽しさを他者に教えようとしているのだ。

まったく何が発達障害で、大人の狡さは障害では無いとでもいうのだろうか。

あと、とにかくこの子のママが凄かった。
とにかく「やらせる~待ち続ける」ママだった。

「早くやりなさい!急ぎなさい!!」のよくあるダメ夫婦とは正反対の
素晴らしいママでした。やっぱ愛だな。
必要なのは、まずは「愛」。道具じゃないよ。「愛」だよ「愛」。
【百年杉】であっても道具に過ぎない。

もちろん、この輪ゴム鉄砲がプラスティックとかケヤキとかタモのような堅く冷たい木ではこんなことはおきてないとぼくは考えています。触れて心地よく…真剣に狙って手汗をかいてもそれを吸収してくれる心地よさ…そんな人肌のような素材は【百年杉】をおいて無いはず。

あとは、楽しく燃える!的(まと)の存在とか
グッドルッキングな鉄砲のデザインとか
こどもたちを、遊びながら頑張らせちゃう、ぼくのスキルね(笑顔)。

彼女は大人の感覚では、たった1日で
数か月分の成長を遊びながら身に着けたのかもね。
いや年単位の成長かもね。「大人の感覚」だとね。

いやぁ、素晴らしいモノを見せていただきました。
ありがとうございました。

裸足の素足での生活

【この子を見ながら考えていたこと…】

しかし、この国の建築業界のミスリードによって
この国では、いつまで病気になりやすく…
治りづらい「住まい」が造られ続けていくのだろう。
まったく、いい加減にしてほしい。

「眠れる寝室を造ってください。」
「眠れないなら病院に行ってください。わたしたちは建築なんですから…。」

よくそういうヒトに相談しちゃって家を建てちゃうよね。理解不能である。
無能な建築業界と無能な発注者が、こどもの成長を妨げ続けている(ため息)。
望むのがヒトの成長であるなら、木の人間…植物の人間を頼って欲しい。

素材が違えば、この子のようにこれだけの「伸びしろ」があるのである。

あと…多少マシな建築の人間でも「木の質」…
樹種の適材適所とその質に関して知る人間なんてほとんどいない。
たいした人間から木を用立ててもらってないからそうなる…。
「安けりゃいい…木は害が無いから使うのだから…」という考えが透けて見えるのだ。

だいたい建築の人間が、まるでアルミかステンレスの選択かのように
木への「愛」も無いのに…木を語ることに、とても違和感を感じるのだ。
木を語るのは、木への「愛」を有するおれたちのはずだ。あなたたちではない。

まぁ語ってもいいのだが、それ相応のレベルの発信をしなさいな。
木は植物であり、語り始めれば、その奥行きはとても深く広いのである。
3日3晩は話は尽きないはずである(笑顔)。

「無添加だからイイ…自然素材だから安心…無垢であれば大丈夫…。」

そんな人間社会でのみ有効な、チャラい言葉遊びを繰り返しているくらいなら
「木」を語るなってこと。黙っていてもらえませんか。お願いだから。

普遍的な言葉…クマさんともタヌキさんとも語り合えるような
この地球上の「木」の「気」を語れないのなら、ほんと黙っていてほしい。

たった半日で、物凄い成長をみせた5歳の彼女の実現した「伸びしろ」は
遊び道具が【百年杉】で、できていたからであって
その【百年杉】の感触は最愛の「愛」溢れるママの肌触りに最も似た感触だったからだと
わたしは考えているのだが…

「木であればイイ。杉であればイイ。安けりゃイイ。」の建築の人間には
ドキドキ~ゾクゾクするような彼女のドキュメンタリーな「伸びしろ」さえも気づくまい。
彼らの眼は開いていても、見えないのである。

けれど、木の人間…植物の人間にはビンビンに見えてカンドーなのだ(笑顔)。
あぁ幸せ。

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