『百年杉』の専門会社 加藤木材

自宅そばで開催された野口種苗の野口勲さんの講演会に行ってきました。
カッコイイ男っているのですね。
噂には聞いていましたが、年上の男性でこんなカッコイイ男がいたのには
マジで、心を揺さぶられました。

この国に魅力的な男性が少ないのは
身に着けた技術や知見を自分のみに使うからです。
「自分のみ」とはお金や地位ね…地位がまたお金になるしね。

男性が得意なのは専門性だろうから
自分の専門の分野を生かして、「はたを楽にすること」=「はたらく」こと。
でもその専門性を自分にのみ使う男ばっかりだから
この国の男社会は前代未聞の酷いことになっている。
早く女社会にしないと滅びるよ。日本は…。

学問は必要なのですが
それはトレーニングのようなモノとして必要なモノであって…
この国の多くの学問はヒトを幸せにすることを目的にされていません。
学問というピラミッドの三角組織の中で
「自分が“頂点”を目指して這いあがっていくこと」が
アカデミックなエリアの中の個々の目的であって
乱暴に言えば「科学」も「学問」も自分の為のものでしょう。

「自分のための学問」

そんなモノにとらわれて生きるなんてまっぴらごめんかな。ぼくは。

野口さんは「種の販売」がお仕事だから
「良い種とは何?」と考えていけば…
「売った種のお野菜が美味しい。」と喜ばれることがモチベーションであるはず。
多くのこの国の男子は、ここで「種の追求のみ」で終わりなのでしょうし
もしくは「儲かる種」になってしまって、自分の知見を自分にのみ使ってしまうよね。

野口さんはエフワン種への疑問からミトコンドリア…ミツバチ…と専門外の分野の勉強をし続けて、点と点を線としていって「推論」を堂々と披露していく。

(弊社工場で”種とり”しながら続けているステラトマトは野口種苗さんからネット購入した種なんです。ようやく弊社のトマト種のパパの話が聞けました)

イベントは明日も続いて木村秋則さんの講演会があります。
やっぱ「お野菜」の業界って、うらやましいなぁ…。
「木」の人間には、こんなイベントは現実的に100年経っても不可能だもんな。

今の「木」を語るヒトって、ほぼ全部が「建築のヒト」です。
設計の人間は設計力やデザイン力という「ヒトの叡智」を言いたい人たちだし…
工務店も「匠の技」とか、やっぱ、「ヒトの技巧」だしね。
アイドル商法がわかりやすいけど、「人気者=お金持ち」という
建築業界の変わらぬ手法論を簡単には否定できないけれど…
まぁわかりやすい商魂たくましさなんですよね。
木を“いのち”としてとらえずに、ひとつの素材としてとらえているだけなのに
仕事に利用している感じが、「木のみの人間」からするとマル見えなんですよね。

DSC_1027

「木は素材のひとつとしてしか見ていない人たちに木を語らせている…。」

木を“いのち”と感じて
そこから“いのちの循環”に気づく人種がいないもんね。建築業界には…。

金額的にも木造新築物件で木の金額は1/10くらいかな。
ぼくにとってはその1/10が100%~1000%なのにね。
1/10しか木への愛がない方々にPRをお願いしてる時点で
もう「木の人間」としては恥ずかしいばかり。

そう、そしてもっとひどいのは建築人より
木が100%であるはずの人間の不勉強さと「自分のための学問」に日和る感覚ですね。
「おれの木が売れればいい」という男ばかりかな。
自分で苦しみながら考え抜く「木の男」がまずいない。
彼らは面前の客を工務店や設計士だと思っているけど
それは「預り金」をいただいているだけで
本来のお客さんは施主さまであり…100年の木は100年の雨と太陽が無ければできないことが見えていないんだろうな。感謝すべきは工務店だけじゃないのにね。

このイベントの主催者周辺の生産者…八百屋さん…オーナーシェフさんは
皆さん口をそろえるんですよね。

「感謝すべきは植物であり、太陽であり雨であり土壌である。」ってね。

素晴らしいでしょ。もうぜんぜん木の周辺とはハートが違うでしょ。
残念ながら「お野菜と木」じゃえらい違い。

でも、純度のみを言っていても広がらないから
1/10しか「植物への愛や畏敬の念」が無い人間とも
今は緩やかにつながっていくしか、今のぼくには選択肢が無い。
新しいヒトとの出会いはまったく素晴らしくて
その結果、すでに出会ったヒトの足りなさも知ることになるのですが
それこそ、ぼくもぜんぜん「足りない人間」ですしね。
今はしょうがないや。「木の業界」を「植物の業界」にすべくがんばるわ。うん。

5時間の講演後に相当な時間、拍手が鳴りやまなかったのですが
わたしも最後のひとりになるつもりで拍手をし続けていたし
皆がそんな気持ちだったからこそ、長き拍手になったのだろうね。
「目頭が熱くなる。」まではいかないけれど
かなりそれに近い感じでした。ぼくの目から涙が再びこぼれる日も近いかもしれない。
野口さんと主催者には深謝申し上げたい。

自宅からCO2を排出せずに行きたかったから
35分歩いて今日は行ったけど、明日も歩いていこう!!

ありがとう!種とお野菜のみなさん!
ぼくも同じ「植物の人間」として、これからも勉強させてください。

有限会社 加藤木材
〒350-1312 埼玉県狭山市堀兼2348-1
TEL 04-2957-9444(月~土 9:00~17:00)