『百年杉』の専門会社 加藤木材

今年はもの凄い梅雨でした。長き梅雨でした。
弊社の工場内で立てかけてあったシナランバーコアやメルクシパインの無垢積層材もカビが発生していました。今季の長期にわたる梅雨は、シナの家具・建具などにカビが発生したというトラブルが多くあった模様です。

シナ製品はカビだらけになった梅雨でした

シナの木の産地の多くは北海道か中国ですからね。

いわば梅雨なき土地で育った木ですから
スウェーデン人がドバイに行って熱中症になったようなものでしょう。

「シナはダメだなぁ。」なんて言わないであげてくださいね。
スウェーデン人を無理やり、ドバイの夏季の炎天下で作業させたのはあなたなのですから。

メルクシパイン集成材も見事にカビが発生していました。
多湿なインドネシア原産なのにね。

メルクシパインもたまらずカビていた梅雨でした

メルクシパインのおおもとはモンスーン気候のインドシナ半島産を移植した樹種ですし
松の仲間では、もっとも南に生息する樹種ですので
やはりご先祖様はもっと寒い場所が得意なのでしょうね。きっと。
じわじわと、かなり南でも生息できるレベルまで進化してきたパインくんも、ものすごくカビていました。

それと比較すれば
杉はまったくカビが発生していません。
さすがに「多湿の木」ですね。

「湿気がこもりがちな土地には杉を植えよ。」

1枚あった、半端の杉の無垢積層板なんてビニルでコーティング包装されて
さらにビニルがカットされて湿気が入ってくる状態で放置しておいたのに
ぜんぜんそのままだもん。カビなんて無し。
もちろんたくさんある【百年杉】も少数精鋭の200年杉もまったくカビていません。

ラップにくるまれているハンデがあっても杉はカビません。この板は50年くらいの杉なのにまったく無傷。

横に置いてあったシナやメルクシパインにはカビが生えていたのにね。
やはりこの本州の屋内には杉だっていうことが証明されたでしょ。

木は害がないから使うだけさ…
自然素材であればいい…という欧州建築人的な発想では、やっぱ50点。
欧州には長期多湿な梅雨も無いしね。
だから適材適所という発想もない。
樹種の選定とさらには樹種の質で、もう50点。
100点満点への、あと50点には【百年杉】も必要。

あなたが人間の成長と維持には木が必須と考えるのであれば
「建築」ではなく、先に「木の人間」に先に相談した方がイイと思うな。

装置として設計や施工はたしかに必要なのですが
先にそれらの装置の方々に相談していたのでは
「木と人間の素敵な関係性」についても知見に触れることができません。

「木と人間との素敵な関係性」についてしっかりとじっくりと考えてから
そういう「住まい」を建てるための装置としての
設計や施工のヒトを探せばいいのです。

今年の梅雨は、建築という人間界専門の学問や産業ではなく
「植物とヒトとの素敵な関係性」を基本とすべし…
と教えてくれた梅雨であったように思う。

いまや木の知識少なき…まぁ少ないのは足していけばいいのだが…
とにかく哲学を持たない材木屋は都市部においては珍しくはない。

知見と哲学無き木の人間は
不幸を感染させ続けて広げる、まったくの”悪”であるはずだ。

木の人間は「知見を有した…されど、面白みもあるが絶対に基軸はぶれない」
からめんどくさい人間でなくてはならない。

お百姓さんとかもそうかな…。
そういう人間でありたいな。

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