『百年杉』の専門会社 加藤木材

寂聴さんがお星さまになられた。

朝日新聞でのコラムを拝読しては
「お元気なんだなぁ…」と安堵して
毎朝ラジオからお声を聴くのが楽しみな日常であった。

不思議なものである。
寂聴死すともまた朝はやってきている。

ちょうど「お話会」のさなかで
寂聴さんのことを話したら
「お亡くなりになったと読みました」と参加者の方から
教えていただきビックリ!でした。

いつまでも過去の栄光
(実は栄光でもない。
この国で男子と生まれれば誰でも成功できた時代であっただけであろう)
の話ばかりの多くの昭和のおじいさんには興味が無く
女性が語る話に興味が行くようなアンテナになったのは
寂聴さんの影響であろう。

問題は今であるはずである。
懐かしい過去の儲け話ではない。

今、どれだけのヒトを幸せに導いているかが重要であって
それは仕事を引退しようが可能なはずである。
90歳を超えた彼女に会いに行っては
多くの人々が涙を流してリフレッシュされて
家路につくのである。
この素晴らしさはGDPでは記されまい。

わたしは杉バカなのであるが
杉以外の「不幸せになる可能性がある住まいの話」を
会った方々には必ずするのは
寂聴さんが言う「愛」の影響であろう。

「余計なこと言うと売り上げ下がるだろ。」

ではなく、「それはやめといた方がいいと思うな。」と言って
売り上げが下がってもいいから
依頼人の幸せのための選択に貢献しようとする
わたしの性質はやはり彼女の影響であろう。

「お利口な見ぬふり」を侮蔑して
「愛のあるおせっかい」をやくことに
人間としての知性を見出すのである。

「“衣食住”なのに
みんな“住”がからっきしダメ。
だから【百年杉】なんだけど
自然栽培のお野菜とかさぁ…
質の高いお野菜とか
質の高い植物の下着とか…
そっちにもお金を使わなきゃならないからさぁ。
“住”もvery of bestまで
持っていけないと思うんだよね。

だから直接触れ続ける【床】と
人生の1/3はそこにいる【ベッド】だけでも【百年杉】だと思うんだ。

だって自分の幸せのために必要なお金を得ようと思ったら
やっぱ、ヒトが不幸せになるようなお仕事をやらざるを得ないじゃんね。

そんな仕事やってて
幸せなんかになれっこないじゃんねぇ(笑顔)。」

そんな話をしていた矢先の彼女の訃報であった。

書くために子を捨てたヒトとして
書き続けなければならないと語り
あの世じゃ書かないから
くれぐれも棺に原稿用紙を入れるなとの言には
しびれるものがある(合掌)。

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