大阪で【百年杉】の床材を
たくさんご発注いただいたSさんという方がいます。
Sさんは友人の【百年杉】リフォームを見て
【百年杉】列車に飛び乗ってくださったらしく…
弊社顧客のほとんどが
長期間のHPウォッチを経てのコンタクトなのですが
Sさんは急遽の「飛び乗りご乗車」のような状態なので
わたしには説明責任がございます。
そこでこれを良い機会とすべく
複数回に分けて
「【百年杉】とわたしたちの身体のいとなみ」について
記していきます。
題して「Sさんへのお手紙」。
しかしその前に「杉の恩恵」というくくりで
よく語られている
「杉と睡眠」という話は
この国の未来の国家像のために
どのような位置付けなのかを改めて検証していきたい。
2020年6月18日に
「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」が
策定されて閣議決定されました(菅総理の時)。
それに関する、経済産業省のHPはこちら
その「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」
全文のPDFはこちら
そしてその中の「農林水産業」分野の実行計画として
表紙を含むトータルページ96P
最下段印刷表記93ページ下段に
「木材利用については、炭素貯蔵や CO2排出削減のみならず、心身への好影響71等といった木材利用の効果のエビデンスの検証・発信や、「木育」等の普及活動、設計・建築事業者や企業(施主) とのネットワーク化等を通じて、ESG 投資にもつながる消費者等の理解の醸成を図りつつ、建築 物の木造化や暮らしの木質化を図るとともに、高層建築物等の木造化に資する木質建築部材の開 発・工法の標準化等を進める。」
という記述がありまして
この※71の備考欄には…
「71 例えば、居住空間の内装木質化率の向上は、睡眠効率を高めるといった研究結果もある。 (参考)(独)日本学術振興会・科学研究費助成事業「住環境が脳・循環器・呼吸器・運動器に及ぼす影響実 測と疾病・介護予防便益評価」2017-2021 年度」
という記述があります。
そしてこの
「住環境が脳・循環器・呼吸器・運動器に及ぼす影響実 測と疾病・介護予防便益評価」の
日本学術振興会の「KAKEN」の資料がこちら
になります。
ここまでを全てをざっとお読みになればおわかりでしょうが
逆に言えば全部読まなきゃ理解できないのですが。
いや、どいつもこいつもちゃんと読んでないから
なかなか理解は進んでいかないのですが(悲)
ようは2050年達成の「グリーン成長戦略」の農林水産分野で
何が言いたいのかと解説しますと…
「5年間で2億円以上かけて研究してきて
杉で睡眠効果が得られるような研究結果はもう出てるんだから
林材業界のみならず建築業界や施主(企業)がネットワークを組んで
エンドユーザーさまに木(杉)が欲しくなるような理解の熟成を図りなさい!」
ということを閣議決定したということなのです。
ですから
「木(杉)による睡眠を含む心身の好影響」というのは
わたしのような「杉バカ男」の妄想なのではなく
もはや「明らかになった科学的な事実」に等しいのである。
もひとつ言うなら…
「杉でぐっすり眠って元気バリバリな日本人」というのは
国家が達成を目指している未来像という具体策なのです。
誰もちゃんと調べんから知らないけど…
以前、書籍も出版されている設計士の友人から
「建築はやる(探求すべき)こと多いから、“木”となると10%程度。
“杉”となると1%にもならない。
しかし、君はその杉が100%~1000%なんだからね。
だからリスペクトしているよ。」
と言われたことがあります。
「木(杉)に関しては
わたしの90~99%減の情熱や知見~経験しか有さない方々には
到達できないお話」を以降していこうと思います。
たいていの生き物は自分で自分の住み家をつくります。
ですから、建築とは人間社会にのみ存在する
縦割りビジネスのひとつであって
生き物の普遍性からは少し離れたところにある学問です。
わたしが探求しているのは
「ホモサピエンスという生き物の幸せの達成のための
生涯を通した人間と植物の素敵な関係性」なのです。
だから90~99%減の方々とは大きく違う
それでは最初に大きな総論として
「なぜ?杉で眠れるの?」のわたしなりの答えを記しましょう。
「ホモサピエンスという生き物が
そういうプログラミングを有する生き物だから」
という感じでわたしはとらえています。
(つづく)