「寝る子は育つ」のである。
そして逆に申し上げると、「眠れない子」は危ういのである。
私たちの人生は2つに分けると
覚醒と睡眠であり
そして更に睡眠はレム睡眠とノンレム睡眠とに分けられます。
このレム睡眠とノンレム睡眠というのは
乱暴に申しあげると…
レム睡眠は赤ちゃんの脳の発達に必要であり
ノンレム睡眠はその脳の休息に必要な睡眠です。
赤ちゃんが誕生した胎児期早期においては
ほぼ全てがレム睡眠です。
そう…脳を創りはじめているのでしょうね。
胎児期後半にはノンレム睡眠も得られるようになっていますから
やはり脳は稼働し始めれば、すぐに休息も必要なのでしょうね。
そして胎児期後半には「覚醒」状態も得られます。
我々の人生が「眠り」から覚めることによってはじまり
その死が「永眠」と表現されるのは、こういうことからもわかりますね。
そして出産時にはレム睡眠とノンレム睡眠の割合は、ほぼ半々になって
あわせて16時間くらいですから
「覚醒」の時間帯が1/3
そして残りの2/3が「睡眠」で
更にその睡眠の中身も
脳を創っていく為の睡眠も脳を休ませる睡眠もちょうど半々というのが出産時です。
人の一生を長期でみていきますと
この生まれた時点での、33%の「覚醒」の時間帯がどんどん増えていって
「睡眠」時間がドンドン減っていくのが、まさしく「人生」でして
まさに人生とはどんどん眠れなくなっていく道程とも言える訳です。
話は赤ちゃんに戻りますが…
そして1歳には覚醒⇔睡眠が半々の12時間づつになって
もうすでにこの時点で
レム睡眠は3時間程度でノンレム睡眠が9時間。
やはり脳が急速に発達するという時期は
それだけ脳の休息が必要になってきているのであるのがわかりますよね。
だいたい脳のフォーマットというのは
3歳で決まるという研究報告例もございますし
それ以降も脳の発達は続いても
今風に言えば、「脳の容量」と言ったら、ちょっと語弊があるのですが…
我々の人生において
もっとも需要な部位のひとつである脳の素質ともいうべきものは
ほぼ3歳までに決まってしまって
それはほぼ「睡眠の質量」によって決定される事を
いったいどれくらいの方々がご存知なのであろうか?
そこを知らずしてママやパパになってしまうのは
ある意味、悲劇であるとともに
その悲劇の理由として…
新米ママパパの親の方々も、知らない方々がほとんど
(知らないのに、たまたまうまくいったので、生活スタイル…衣食住の変遷…命を削る「住」も受け入れてしまっている)
という現状はいったいどこから手をつけていいのだろうか?…との感があります。
赤ちゃんの眠りが少ない事によって
その後の人生に大きな問題が影響が出てはいないでしょうか。
小児科医の三池輝久先生は
眠れない子の療法として
メラトニンの投与などによって
成果をあげておられますが
私としてはやはり「脳が好む芳香」=「百年杉」が身近にある「住環境」をお勧めしたい。
何度も書いてきましたが、脳に酸素がたくさん吸入される
眠った時間だけでない質の高い睡眠である。
赤ちゃん時に「百年杉」の芳香があるのか無いのか?は、のちのち大きな影響があると
私は考えています。
本質的に…根源的に求めているモノ=森の恵み・香りが無いのでは
安らかな睡眠など無理ではないだろうか。屋内にあるのは微弱な化学物資臭のみ…。
赤ちゃんや子供には無限の可能性があります。
でもその可能性に蓋をしているのは現状の「住」環境であり、我々大人なのではないでしょうか。
地方において
杉は余って厄介者扱いで
都市部において、屋内に杉は無く、赤ちゃんは眠れず…
なんですからね。本当に嫌になってしまいます。
(参考文献)
「人はなぜ眠れないのか」 岡田尊司 幻冬舎
「子どもと眠り 良質な睡眠が発達障害を予防する」 三池輝久 メディアランド
「子どもの夜ふかし脳への脅威」 三池輝久 集英社