『百年杉』の専門会社 加藤木材

DIY床敷きの現場に町田市まで行ってきました。

わたしは「行ける範囲」では
必ず行くようにしています。
なぜならそこには、かけがえのない「学び」があるからです。

今回のお客さまは完成直後に
「床を隠したくないから。この部屋にはモノを置きたくない。」とおっしゃった。
あらビックリ!去年もそういう方がいらっしゃった(驚)。
変わり者じゃなかったのね?!数割いるお考えだったのね。

その後、断捨離が勝手に進んだとも言ってたもんなぁ。

つくづく「建築施工⇔DIY床敷き」は
まったく別物である。対極と言ってもいいかな。

こういう過程を経験すると
なんで工務店に【百年杉】が
まったく広がらないのかが、無理なく理解できるのである。

わたしは「木の人間」だから
木が好きで森が尊いのである。
そうなると森は海とつながっていることも見えてくるのである。

そして、大工さんは「技術の人間」だから
「木が好き」では無い。

「木を切り刻む行為(をする自分)が好き」なのであって
多くの大工さんは、森や環境問題には関心を持たない。

「技術の人間」は自己の技術批判を最も恐れ嫌う。
だから「技術を発揮しやすい樹種の使用」を好む。
そうなると杉のような「(柔らか)過ぎる」樹種を嫌う。

たしかに杉はひと手間かかる樹種である。

さらに「引き渡すまでに傷つくことによるトラブル」を嫌う。
だから「(柔らか)過ぎる杉」を嫌う。

そうプロは切り刻みづらく
傷つきやすいので杉を嫌う。
おそらく杉は最高に扱うのが嫌な樹種であろう。

DIY床施工の、部屋の主(あるじ)は
まったく違う。

【人肌】のような触れた際の気持ち良さや
何色との表記も不可能な
多様な輝きを持つ艶やかで柔らかな床材の
エッセンシャルオイルを源とする輝きという生命力を見て
その上に「モノを置きたくない」と言うのである。

もう床材という素材ではなく友人なのである。
そういえばお客様のほとんどが百年杉を擬人化した表現で言う。

木を「人間能力の証明のために利用したい技術者」と
木を「人間が必要とするありがたい存在だと考える人間」の違いが
歴然とそこにはあるのである。

「木を操る人間としての自己顕示欲」と
「木にはかなわない畏敬の念」と言えば
もっとわかりやすいかな。対極に近いっしょ。

まるで言霊のように…
やはり自然界に生かされている感覚無き人間が混じってしまうと
心が濁ってしまうことはあるかもしれない。

たとえ技術は稚拙であっても
「心通じ合える」
植物へ畏敬の念を共有できる人間どうしで
床を敷くから「幸せ」へのロードマップが続くのではないだろうか。

いくら、うまくても「人間の手柄」ばかりの人間のみでは
視界が狭過ぎるように感じるのだがいかがであろう。

「家づくり」じゃないんだよね。
その前に「生涯を通した植物との素敵な関係性を考えた幸せづくり」なんだよね。

「家づくり」のみの発想からは
この国の「住まいの渇き」は癒せないのではないだろうか。

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