『百年杉』の専門会社 加藤木材

空気が乾いてきて秋である。

東京は欧州で最も乾くストックホルムより低い湿度の1月があり
夏季は最も湿潤なローマよりも多湿だという特異な地域である。

正倉院の外部~内部~杉製の唐櫃(からびつ=宝物が入れられていた箱)内の
温度湿度の年間計測をされた成瀬正和氏の研究資料を見ると

この国は最高湿度100%-最低湿度16%=年間湿度差異はなんと84%(驚)にも及ぶ。

一瞬の計測数値だとあるかもしれないが
それぞれの最高と最低湿度が
軽く2週間以上も続くんだからね。この国は。
そんな陸地はこの星には無い。
北海道と沖縄を除く日本列島くらいのものであろう。
この広き地球でここだけね。

湿度はお金のようなものである。

有り過ぎても不用心だし
無さ過ぎても生活に困ってしまう。

だからどこかに預けておきたい。
銀行のようなところにね。

そして必要な際に
出し入れをして「有り過ぎずに無さ過ぎない」状態を維持していきたい。
しかし、その作業の継続ってかなり面倒くさいよね。

それでは…もし!この「有り過ぎないけど無さ過ぎない」状態が常に維持されて
しかも指示を出さずとも
常にベストな時期に適量のお金の出し入れをしてくれて
さらになんと!それらの口座の出入金時の
手数料無料のシステムがあったとしたらいかがであろう?

飛びつくでしょ。その銀行に。

そう…同じ木は木でも
杉こそが、そういう「貯湿銀行」なのである。

前出の成瀬正和氏の研究によれば
外気の年間湿度差異が84%!の、この国なのに
桧の校倉造り内の湿度差異は半減の43%程度まで下がって
なんと樹齢100年越えの杉の箱の中の湿度差異は
外気比較75%ダウンの年日較差がたったの21%になっているのである。

杉の中であれば、真冬と真夏で湿度がたった21%しか違わないのである。
まさに「貯湿には杉!!」

電気も使わずに
スイッチの「入れ忘れ~消し忘れ」も無く
ただただ杉の中に身を置けば
杉が「貯金」ならぬ「貯湿」を自動的にしてくれるから
湿度は多過ぎず~少な過ぎず…だから
正倉院の宝物は1300年間経ってもカビなかったし干からびませんでした。

これだけ「乾燥して蒸す」
この地球上唯一の島において

山にはたんまりと売るほどあるのに
杉無きビニル&プラスチックハウスに身を置いて
乾燥肌とか熱中症とか言いながら…
エアコンと加湿器にすがりついているような判断じゃねぇ。

湿度のストックスペースを屋内に求めずに
年がら年中「湿度を増やせ!湿度を消せ!」と言っている愚行。

冬はお金が無いからお札の印刷を徹夜で実行して
夏はお金が邪魔だから燃やしているような感覚。
銀行に預けときゃいいのにねぇ。

こういう「多過ぎるなら消してしまえ!少な過ぎたら作ればいい!」という
マクロ的に見れば非効率なアクションはやめて
ストックという発想と行動をしていかないと
カーボンニュートラルなんて、とてもじゃないけど達成できまい。

また昨今の建築は「断熱」一本やりで
「貯湿」の必要の無き欧州の学問をそのまま持ってきている感を持つけど
断熱効率のみをいくら向上させても
屋内に「貯湿ストックスペース」が無ければ
エアコンと加湿器のフル稼働になって本末転倒なはず。

よく欧州の木材に関して
収縮が少ないから家具向きの木材…なんて言われ方をしますが
それは逆に言えば
「湿度の貯湿量の少なさ」を物語っています。
ようは「預けられるお金の限度額」がタイトに設定されているのね。
具体的な事象としては
「湿度を吸いきれずに木材表面にカビが発生してしまう」ということ。

何年か前に書いたと思うけど
たしか7月に湿度100%が1か月近く続いたような年があったけど
弊社工場内の百年杉はぜんぜんOKだったけど
「シナの木」なんかは全部カビたもんね。

シナは北海道以北の樹種だからね。
梅雨が無い土地の樹種でしょ。

オークやウォルナットなどのカッコいい家具を否定してないよ。
だけど、それらの乾いた土地の樹種で作った唐櫃では
正倉院の宝物はカビちゃって~干からびちゃって
1300年間持たずに絶えたでしょうね。
彼らに「湿度銀行」のお仕事さえも望むには無理筋。

同じ木でも
「湿度銀行」には杉なんだよね。

桧もいいけど
杉より「貯湿量預入れ限度額」の設定が低いんだ。

今、5,000円くらいから始められて
セルフチャレンジにて実行できる
「百年杉貯湿銀行×睡眠効率向上の香り」の製品を開発中なので
もうちょっと待っててね。

「杉貯湿銀行」頭取の加藤政実でした(笑顔)~
ではでは。

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