杉の可能性
【百年杉】とは
「高品質な杉」ではないだろうかいう置き所のもと
本項ではその可能性を科学に導いていただいて考えていきましょう。
高品質な杉にしか価値はないと言うのではなく
【百年杉】が、ほぼ日本全域に存在する
学名:「クリプトメリア・ジャポニカ」
その語意は「隠された日本の財産」である
杉の価値の再発見をリードしながら
日本の木の可能性を引っ張り上げていくイメージを持って
お読みいただければうれしいです。
弊社が定義する「高品質な杉」とは具体的には濃厚な香りを有する杉であり
その香りの源である植物精油(エッセンシャルオイル)が豊富な
触れて艶やかで気持ちの良い杉ということになります。
ところ変われば植物も変わる
学問の礎である欧州には「香る木」が極端に少ない。
それに対してわが国には豊富に存在します。
ネズミが桧の匂いを嫌がったり
ヤマトシロアリが青森ヒバの香りを嫌ったり
衣服に穴を開ける虫がクスノキの香りを避けたり…
一般的に木の「魔法のような力」はその香りに宿っています。
だから文字通り「適材適所」とは
わが国では木材の適正(用途)使用の言葉になっていますが
同義語の英語では「right place」となって
木材がでてきませんよね。
これは上記のような
「魔法使いのような(香りを有する)木」が
欧州には存在しないからだとも言えます。
なぜ?欧州にはこういう「魔法使いの木」が無いのかは
定かではありませんが
ひょっとしたら負荷(ストレス)による差異であり結果なのかもしれません。
乾燥した安定かつ単調な気候の欧州では
わが国のような
梅雨、紫外線、虫害、木材腐朽菌、台風、雪害…という
多層多様な負荷(ストレス)が木々にかかりませんからね。
やはり人間もそうですが
「しぶとい“いのち”」を得るには適度な負荷がかからないと
育たないのかもしれません。
実際に欧州の建築家の講演を聞いていても
「積極的に木を使うのは、害が無いことが経験学問として立証されているからだ。」と
皆さん力説されます。
逆に言えば
「一芸に秀でていない。害の無い素材の域を出ない力無き木材しか存在しない欧州」
というのは過ぎた言葉では無いように思います。
だからそういう環境下からの
カウンター文化として欧州には
「アロマテラピー」文化ができたのではないでしょうか。
「花はすぐに枯れてしまうし、木材にも香りが無い。」
だから植物精油を高温で揮発させてから
冷却液化させて植物精油のオイルを得る発想を得たのではないでしょうか。
こんなところにも
まさに「植物の香りへの渇望」が
人類には共通してあるように思うのですが、いかがでしょう。
そんな「木材の香り」に関しての科学を中心にまずは検証していきましょう。
覚醒効果の桧。鎮静効果の杉。
この実験は青森ヒバ、杉、ヒノキとい3種の木材の精油分=材油を吸引した際の
「覚醒⇔鎮静」の感じ方に関する実験です。
もうずいぶん前になりますが
独立行政法人 森林総合研究所さんに直接問い合わせていただいた資料になります。
実際に最も鎮静的に感じた被験者は「杉の香り」ですし
ヒノキで最も鎮静的に感じた被験者は
杉で鎮静化が最も少ない被験者とほぼ同じになっています。
また青森ヒバとヒノキが「覚醒⇔鎮静」の範囲の中で
バラつきが大きいのに対して
杉は鎮静傾向にまとまっています。
これは経験的にもよく語られる言葉である
「覚醒効果の桧。鎮静効果の杉」という言葉を裏付ける科学ではないでしょうか。
そう言えば「桧舞台(ひのきぶたい)という言葉もそうですし
日本書紀にも、桧は瑞宮(みづのみや)=宮殿に使いなさいと記されています。
やはり桧という木は
欠点ほぼ無きオールラウンダーという特別な木でありエリート。
通知表に例えるなら「オール4(5段階評価)」でしょうか。
神仏やアート(舞台)の近くに必要な
シャキッと背筋が伸びるような木なのでしょうね。
お勉強専用部屋や企画会議室…
スポーツにおけるプレイ直前の控室などは桧の香りが有用になってきて
ご自宅や寝室…子ども部屋や瞑想ルームなど…
ちゃんとリセットしてからのチャージを期待するお部屋には
杉の香りが向いているのかもしれません。
自律神経の共有
ここではまず自律神経について共有しましょう。
わたしたちの身体の神経とは「中枢神経」と「末梢神経」からできていて
「中枢神経」とは脳そのものを含む腰まで伸びる神経の束=脊髄(せきずい)であり
「末梢神経」とは中枢神経から身体の隅々まで張り巡らされた細い神経になります。
末梢神経は「痛い・熱い」などの「知覚神経」と「運動神経」がある「体性(たいしょう)神経」と「自律神経」のふたつに分かれていて
その「自律神経」は血管、心臓や肺、腸などの内臓までに伸びているのですが
呼吸、血液循環、消化など…
無意識のうちに、いのちの継続のために重要な調整をおこない続けている神経になります。
「さぁ呼吸するぞー!消化するぞー!」のような感覚ってありませんよね。
そんな無意識であっても重要な行為を司っています。
そしてそんな「自律神経」は
「活動・緊張」系である「交感神経」と
「休息・リラックス」系である「副交感神経」のふたつに分かれています。
呼吸や血液循環や消化などの
わたしたちが無意識のうちに実行し続けている
重要な行為の継続のためには
「活動・緊張」だけでも「休息・リラックス」だけでも困難で
真逆のような両方の性格の神経が必要になっているのです。
自律神経に直接作用する杉
岐阜大学の光永徹博士を中心としたグループが
杉の香りの吸引時の自律神経の抑制と優位に関する
ラット(マウス)実験をおこなっています。
まず上のグラフが杉の香り吸引時の「交感神経」に関するグラフです。
「杉の香りの吸引時」の10分間に限って
交感神経が抑制されて68.8%減の31.2%まで減少しています。
次に副交感神経です。
こちらは杉の香りの吸引時に3倍近くも副交感神経が優位になっていて
杉の香りの吸引を止めた後も
50%増程度の副交感神経の優位性を保っています。
この両グラフのようなことが
「杉の香りの吸引時」には体内で同時におこっていますので
杉の香りの吸引によって
交感神経が7割程度抑制されて
副交感神経は3倍近く優位になって
さらに吸引をやめても副交感神経の弛緩はある程度継続しています。
これは「百年杉によって睡眠効率が上がった」のような
今までいただき続けてきた多数の「個人の感想」と一致するところであります。
そして副交感神経は加齢による衰えがあります。
男性だと早い方は30歳代半ば…
女性でも40歳を超えると副交感神経は急速に失われていきます。
これらの時期はアスリートの引退時期に符合しますから
やはりこの年齢あたりが、人生における心身にとって大きな曲がり角なのでしょう。
それらを考えていくと
杉の香りの吸引による副交感神経優位の傾向に大きな可能性はないでしょうか。
また睡眠時に限れば
交感神経はまったく不要と言っていいはずですから
このラット(マウス)実験による
「交感神経の抑制かつ副交感神経優位による弛緩」という
「杉の香りの吸引」による結果は
現代社会におけるデジタルストレスからのリカバリーを含めた
「眠れない大国にっぽん」の
睡眠の質の改善に大きな期待をかけても良いように思うのですがいかがでしょうか。
もちろん同じ杉でもより香りが濃厚な杉を…という
弊社の製造コンセプトの立案は
こういうサイエンスからのありがたいご助言のお蔭でもあります。
空気浄化…汚染物質の除去には杉
いわゆる呼吸器系疾患の起因物質に二酸化窒素(NO2)があります。
「独立行政法人 環境再生保全機構」によれば
「二酸化窒素(NO2):物質が高温で燃えるときに発生する一酸化窒素が、大気中で酸化されて生成される気体。高濃度で呼吸器系に好ましくない影響を与える。」と記されています。
このNO2がどうやって、できるのかというと
その多くは排気ガスから排出されて生成されています。
そんな厄介者のNO2が杉のお部屋ではほぼ浄化~消失しているという
辻野喜夫先生の有名な研究があります。
6畳間において
屋内にNO2発生源が無く、換気も無い状態を作って
屋内の天井1面を杉で内奏した場合
初期のNO2濃度が1000ppbの場合で6時間。
また6面全部を杉の内装にした際は
なんと、たった1時間でNO2がほぼ消失~浄化されているというグラフになっています。
辻野先生は
「以上のことから、スギ材を活用した木造建築は窒素酸化物汚染の激しい道路沿道およびその近傍の地域において、屋内空気の環境改善に役立つと考えられる。」と結ばれています。
また辻野先生は「おわりに」と題してこうも語られています。
「何故、今日まで世界中で、木材による環境浄化商品の開発が進んでこなかったのか?
欧米各国では、何でも塗装する慣習により木材表面NO2浄化機能が潰失してしまうため、乾燥地帯では、木材の乾燥により浄化機能が低下してしまうため、寒冷地帯では、木材表面の凍結により浄化機能が低下してしまうため、熱帯雨林地帯では、木材の生物劣化(白カビ、白アリ)によって短期間で朽ちてしまうため等の理由が考えられる。温帯モンスーン地帯の白木文化を受容する日本でこそ、自然木(白木)を利用した木造建築・木材工芸等の環境浄化商品が開発される要素がある。(原文まま)」
と結ばれています。
辻野先生がおっしゃる白木文化とは
コーティングなどを施さないで
木をありのままに使用する「素木(しらき)」とも表記するわが国の文化の事です。
冒頭に記しましたが
わが国は「魔法使いの木」が多種多数生息する
「奇跡の植物の島」のような地域です。
お野菜もそうですが
栄養価の高い多様な旬な、お野菜が多数収穫されます。
いや正確に言うなら…
その季節に必要な魔法を有するお野菜が
ほぼ年中栽培可能な島ということでしょうか。
それらのお野菜のトータルな栽培可能期間も欧州に比較して、とても長期です。
まさに医食同源。旬のお野菜を食べ続けていれば…というお国。
欧州には無い多湿な夏季がもたらす
多様な負荷(ストレス)という環境要因が
しぶとく力強い“いのち”の植物を育み
雪が降るような安定した冬季が
レスト~循環の機会になって“いのち”の数を増やしているのでしょう。
辻野先生のお話しでもあるように
熱帯雨林のような熾烈な環境下では
適度な負荷(ストレス)を超えた苛烈な環境の波状攻撃が継続しますから
生き残る“いのち”の数じたいが少なくなってしまう。
その例として、ブラジリアンローズウッドというギターの音色に良い樹種を
たった数年で人類は絶滅させています。
やはり熱帯雨林くらいに過酷な環境下になると
多品種小個体数にならざるを得ないので
人間社会に使えるだけの植物の個体数が成り立たないのです。
身近な季節感に例えるのであれば
梅雨があるような夏季の環境が力強い“いのち”を育み
雪が降るような安定した冬季が“いのち”の数を伸ばす。
そうであれば梅雨があって雪が降るような陸地であれば
さぞかし力強い“いのち“が多数存在する陸地ということになって
この地球上に唯一そういう島があってそれがわが国ということなのでしょう。
実はご存じない方も多いのですが
東京は欧州で最も乾燥した冬季になるストックホルムよりも冬の湿度が低く
欧州で最も湿潤なローマより湿度が高い地域なのです。
そんなこの地球上唯一の
「蒸し暑くて寒い島」の旬のお野菜の栄養価は高く
また「魔法使いの木」が豊富に存在していますから
人間社会での活用も可能になっていることにつながっています。
唐櫃(からびつ)に学ぶ
【短報 正倉の温湿度環境調査 1999~2000】で検索していただければ
奈良の正倉院という
1200年前の宝物が現代まで朽ちずに保管され続けてきた建築物の
1年間の温湿度変化を測定した成瀬正和先生の研究結果にたどり着きます。
(実験の性質上ここにそのグラフの再現は困難なのです。ご検索ください)
この実験は
- 正倉院の外=外気
- 正倉院内=ヒノキの校倉造りの木造建築物内
- 実際に宝物が保管されていた杉製の唐櫃(からびつ)と呼ばれる箱の中
という3か所において
1年間の温度と湿度の測定調査をしているのですが
特にその「湿度(しつど)」の変化に関して
興味深い結果が出ています。
前項でお話ししたように
この島は「世界で唯一の梅雨があって雪が降る島」ですから
研究結果によりますと
正倉院の外部での湿度の「年較差」はなんと84%!
年間の最大湿度は100%で最低湿度は16%だったそうです。
湿度100%-湿度16%=84%(年較差 湿度)
それがヒノキの校倉造り内の測定になると
湿度の年較差は半減の43%程度にまで縮まって
宝物が収められていた杉製の箱である唐櫃(からびつ)内では
なんと外気湿度との比較において75%ダウン!の
年間湿度差異はたった21%だったそうです(驚)。
外の年間の湿度差異は84%なのに、杉製の唐櫃の中ではたった21%に過ぎない。
杉製の唐櫃の厚みはたった2センチ。
この2センチ内側ではいったい何がおきているのでしょうか。
わたしたちの体温が年中維持されているのは
黙って何もしていないのではなく
恒常性維持機能(ホメオスタシス)という
脳(爬虫類脳)からの血管の収縮や拡張などの
絶え間ない指令にテキパキと体内各所が応え続けながら
その体温恒常性を維持させているからなのですが
このたった2センチ先の恒湿度状態に近い
これらの数字には驚きを禁じえません。
宝物が朽ちていく条件としては
多湿による「カビ菌の繁殖」によるもの(湿度だと70%以上の環境下でしょうか)と
過乾燥による「干からび」が考えられますよね。
湿度は高ければ良いわけでも低ければ良いわけでもありません。
湿度が高ければ宝物がカビてしまうし
低ければ干からびてしまう。
わたしたちの身体もそうですけど
物質の品質変化に与える影響に関しては
ひょっとしたら温度よりも湿度の方が大きい。
ちなみにわたしたちはもともと海の生き物ですから
体内の7割は水分であり塩水です。
ですからわたしたちの“いのち”の継続に必要なものとは
体内の水分の保持であると言うこともできるのです。
ですから心臓がピンピンに元気でも
ある程度の広範囲の皮膚が火傷(やけど)を負ってしまうと
水分が流出して死に至るわけです。
もちろん温度も重要ですが
わたしたちの身体の仕組みを考えた場合
湿度の影響は決して小さくないのです。
とかくこの正倉院の1200年間の奇跡に関しましては
「校倉造」という工法であるといった記述がみられるのですが
成瀬正和先生は
正倉院宝物が1200年間もの長きにわたって
保存されてきた理由は「校倉造り」という工法(人間の叡智)であるというのは
残念ながら間違っていると断言されています。
「この説を最初に提唱したのは、江戸時代後期の学者・藤貞幹(とうていかん)であるとされています。建物の調質作用に着目したのは卓見ですが、その説明を木の隙間の開閉に求めたことは、残念ながら間違っていると言わざるを得ません。つまり、外気に対して、庫内での相対湿度の変化が緩和されていたということは事実ですが、結論から言えば、それは木自体に備わった吸放水能による調湿機能に基づくものです。宝物はヒノキ製の建物、いいかえれば、大きな木の箱のなかに納められています。そしてほとんどの宝物は、庫内でさらにスギ製の唐櫃のなかに納められていました。つまり、外気に対して、二重の木の箱に入れられていたみなすことができます。【成瀬正和氏 「文化財の保存と修復」文化財保存修復学会/編 内「正倉院宝物の保存修復」より原文まま】
もしあなたのお子様やあなた自身が宝物のような存在であるなら
ヒノキや杉の箱(=住まい)に入れられることを検討いたしませんか。
この成瀬正和先生の研究から学ぶべくは
「貯湿(ちょしつ)」の概念ではないでしょうか。
そう、貯水、貯金の「貯」です。
これだけ乾いた冬季と蒸し暑い夏季を有する地域は
地球上においてこの島以外には存在しません。
湿度はお金と似ています。
有り過ぎても物騒だし
無さ過ぎても生活に困ってします。
そう…どこかに「預けておきたい」のです。
貯金ならぬ「貯湿」ですね。
屋内に杉という大量の貯湿ゾーンを設けておけば
スイッチもエネルギーも不要にて
勝手に湿度が出入りしてくれて
恒常性に極めて近い恒湿性をもった生活が可能になるのです。
干からびずにカビないライフスタイルであって
なおかつランニングコストゼロ=エネルギー不要。
考えてみれば現代でも博物館の収蔵庫は
天壁床の6面全てが杉やヒノキのような
貯湿量の多い樹種で張り巡らされています。
どれだけ科学が発達しようとも
人類は未だに杉やヒノキのお世話にならなければ…
設計力や人造物たるエアコンやプラスチック製品のみでは…
1200年続いた宝物を干からびさせてカビさせてしまうのであります。
「人類よ、おごるなかれ」の教えが
正倉院の唐櫃にはあるように思うのですがいかがでしょうか。
さて本項最後になりますが
「なぜ?唐櫃は杉製だったのか?=他樹種との比較において杉材の貯湿量が多い理由」の答えとしましては
それは軽い木=内包する空気が多い=貯湿量が多い木ということになって
千年以上も前の先人はそれがわかっていたということになります。
エネルギーをジャブジャブ使い続けて
加湿器と除湿機能を使い続けなければ住めないような「住」に
身を置き続けるということは
お金に例えるなら
お金が無くなってから慌ててお札を印刷し始めて
お金が在り過ぎて物騒になったら
やはり慌ててお札を燃やすような行為みたい…だと
先人に笑われないようにしたいものです。
樹種別の空気浄化能力比較
「杉は呼吸器疾患の主因たるNO2浄化能力が高い」という科学をご紹介しましたが
その杉の能力が他樹種との比較においてどれくらい凄いのかを検証した実験があります。
京都大学の川井秀一先生を中心としたグループの研究です。
杉はNO2浄化能力2位グループのブナの約4.5倍。ヒノキの6倍近い…
ダントツの空気浄化能力を有する樹種であることがおわかりいただけます。
お部屋に木があって…
その木がコーティングを施さない
「白木=素木」の状態であれば
勝手に呼吸器性疾患の主因たるNO2を浄化~除去してくれるのですが
樹種別で比較すれば
杉のその能力はダントツ!であるという科学的なデータになります。
また、よく樹種特性としての
家具用材の利点として
「狂いが少ない=形状変化が少ない=良い家具用材」という言われ方をしますが
空気浄化能力のみの考え方であれば
この研究結果をみれば明らかですが
そういった樹種は空気浄化能力が低い樹種ということになります。
形状変化が小さいということは
例えるなら…呼吸の浅い肺活量の小さいヒトみたいなものですので
「たいして呼吸しない樹種=空気浄化能力の低い樹種」ということになります。
もちろん家具という存在のすべてが
空気浄化能力のみで語られるものではございませんから
それらの樹種が不要であるなんて考えていません。
けれどもこういう科学的な知見を得て
同じ木でも樹種を考えたり
同一樹種であっても
その「質」を考える機会となれば幸いです。
「うちの子は喘息だから木の家具…できれば杉の家具を増やしていこう」
という発想は科学的な知見に合致していると言って
差し支えないのです。
「水との反応による空気浄化能力」
さて本項ではより具体的に
「杉が持つ驚くべき空気浄化能力」に関しまして掘り下げていきましょう。
なるべくわかりやすく解説していきますので
よろしくお願いいたします。
木はそこにあるだけで湿度変化時に「呼吸」し続けます。
そしてその「呼吸」時に樹内の水分や
自ら保有する自然界で生成された化学物質と
NO2のような汚染物質とを結び付けて
他の物質を生成して樹内に保管。
これが「木が持つ空気浄化能力」となります。
それではまず「水との反応による空気浄化能力」について解説いたしましょう。
木は大地にあって成長を前提とした大量の水分を有します。
そして「樹木→木材」となる際には
この豊富な水分は不要どころか厄介者であって…
これらの「成長を前提とした水分=自由水」を除くべく乾燥を進めていって
「樹内の組織の維持に必要な水分=結合水」のみにしてから
木材として使用します※。
そうしないと樹内の水分量の減少による木材の体積変化につながって
「木材の著しい縮みや割れ」につながってしまいます。
ですから不要な水分=自由水を除いて
樹内の組織維持のために必要な水分=結合水のみにしてから
加工してツルツルに仕上げていきます。
数字の目安で言えば
切り時期や樹種にもよりますが
伐採直後の生木(なまき)に近い状態で含水率が120~200%。
それを含水率20%とか15%にしてから加工するというのが通常ですので
いかに樹木には大量の自由水が存在するのかがおわかりいただけるでしょうか※。
そんな乾燥した木材にも存在する結合水=H2Oと
汚染物質を結びつけて屋内の空気を浄化する作業が
「水との反応による空気浄化能力」です。
NO2(二酸化窒素)+H2O→HNO2(亜硝酸)やHNO3(硝酸)
上記のように汚染物質を
一切のエネルギーを使わずに他の安定した物質に置き替えていく作業を
「住まいの木」はし続けてくれていて
杉と言う樹種はその能力がダントツに高い樹種なのです。
抽出成分との反応による空気浄化能力
次に「抽出成分との反応による空気浄化」です。
木が有する自然界の化学物質には香りを有する「精油」と
香りが無い化学物質としての「抽出成分」という化学物質があります。
というより
木材が持つ個性としての
まるで魔法使いのような…
自然界が育んだ化学物質の総称が「抽出成分」と呼ばれる物質であって
その中に香りを有する「精油成分」が含まれるという方が正しいでしょうか。
ですから当然、この「抽出成分」は樹種によって異なってくるだけではなく
同一樹種であっても個体差が発生するのは当然ということになります。
おそらくまるで指紋のように
抽出成分の質量が同じ木は存在しないはずです。
ここは後述いたしますが、極めて重要な点ですので覚えておいてください。
木にはこの「抽出成分※」との結合による空気浄化能力もあるのです。
川井秀一先生はこの2種類の空気浄化能力について研究されている第一人者です。
さて杉が持つ
他樹種との比較において
ダントツの能力を有する2種類の空気浄化能力についてご理解いただいたうえで
さらに奥深い杉の世界にご案内していきましょう。
実は上記のグラフとしての科学的なデータは非常に奥深いものがございますので
このグラフに戻りながら読み続けるのは困難な為
同じ科学的なデータを何回も出しながら解説を進めていきますね。
まずこのグラフなのですが
同じ杉なのですが、その品質が大きく違います。
左の4列は「飫肥(おび)杉」という九州の宮崎県のブランド杉の数値で
右の4列は大阪府産の杉の数値になっています。
このグラフの数値は例の2種類の空気浄化能力なのですが
まずこの左右を見比べると左の数値の方が高いですよね。
これが杉の特徴である「激しい個体差」になります。
関東のヒトには馴染みが薄いかもしれませんが
飫肥杉の特徴は濃い赤身部=心材で知られていて
いわゆる黒心(くろしん)と呼ばれるような
赤というより黒に近い心材の色で
そんな飫肥杉は
水や虫害にも強いという
強烈な対候性を有する杉として知られています。
下の写真を見ていただきたいのですが
これは決してブランド林産地とは言い難い
ある原木市場での写真です。
伐採した産地間の距離もそう離れていないはずなのですが
心材の色がぜんぜん違いますよね。
一番左の丸太は心材部が濃い真っ黒だけど
その2本右側の上に乗っかっている丸太は
結構太いけど心材部の色は薄いですよね。
心材部を赤身と言いますが
この丸太だと…赤は赤だけど
ひょっとしたらオレンジに近いくらいの色の薄さですよね。
でもその下のもっと細い丸太は真っ黒ですよね。
科学的な数値に話を戻しますと
飫肥杉の数値はこの写真の一番左の丸太のような杉の数値であり
大阪府産の杉とはその2本右側のような丸太と考えていいはずです。
このグラフの科学的なデータとしての肝は
同じ杉でも
ゆで卵の黄身のような位置にある
「心材部=赤身部」の色が濃い杉の方が
空気浄化能力が高いと考えてよいということになります。
ここで注意していただきたいのは
飫肥杉が〇で大阪府の杉が×ではないということ。
飫肥杉がブランドなのはこういう杉が多いからであって
こういう心材部の色の濃い杉は大阪府産にもあるのです。
この実験の偉大さは
この杉の「激しい個体差」について科学的に取り組んでいる点にあります。
大阪の杉がダメなわけではありません。
くれぐれも勘違いなさらないように…。
代表の加藤政実がよく講演時に言う文句に
「杉は人なり。これだけ個体差の激しい生き物は人間と杉ぐらいだ。
鼻の短い象も首の短いキリンもいないのに…
宇宙人がやってきてウサイン・ボルトさんと浅田真央さんが同一種の生き物だと知ったら
腰を抜かすだろうね。」というのがあるのですが
この原木市場の写真を見ていただければ
これで同一樹種であるという
杉の「激しい個体差」についてご理解いただけますでしょうか。
そしてわたしたちの五感を使っての杉の品質の差異の見極め方としては
この「色の濃さ&香りの濃厚さ」となるのです。
心材(赤身)部の色が濃い杉は、香りも濃厚であって触れた感触も艶やかなのです。
自然界の偉大な化学物質である
杉の樹内の各種の抽出成分の質量をわたしたちは
計測する術を持ち合わせてはいないのですが
「見た目の色の濃さと香りの濃厚さと触れた気持ち良さで選ぶ」というのは
どうやら正解のようなのです。
そしてそれらのことを
この科学的な研究結果が出る前から先人は知っていたからこそ
飫肥杉とはブランド林産地なのです。
さすが「奇跡の植物の島」の先人はもの凄くて
それらを数値化した川井秀一先生のグループの研究も偉大なのです。
もう一度グラフを出しますね。
一番左の「飫肥杉心材木口(こぐち)」と
右から4番目の「大阪心材木口(こぐち)」との同一部位の比較において
青色の「水との反応による空気浄化能力」に関しては270前後のほぼ同じ数値なのですが
オレンジ色の「抽出成分との反応による空気浄化能力」に関しては「465⇔234」ですから
ちょうど2倍程度の空気浄化能力に関する差異が出ています。
これに「乾燥」に関する解説時に記した
50℃以上の人工乾燥装置経由の杉材となりますと
精油分は明らかに揮発~消失させていますから
それらの「香り薄き(無き)杉材」が多くのありがたい抽出成分さえも流出させているのでは…と考えることも自然なことですので
このグラフの「大阪材」の数値の半分とかさらにその半分とか…
とにかくかなり低い数値になることを予想するのは無理筋では無いはずです。
ですから同じ杉でも
その品質によって
2倍~1/2程度の空気浄化能力の違いは普通にあって…
さらに杉が悪いわけではなく
人為的に乾燥工程において
精油を含んだ抽出成分を揮発~減少~消失させた杉になると
このグラフにはありませんから、そこは想像になってしまいますが
4~5倍とか1/4~1/5とか…
ひょっとしたら1/10以上の空気浄化能力に関する能力の差異がある杉が
同じ杉でも、現在のわが国では流通しているのではないでしょうか。
そうなりますと
NO2浄化能力におけるブナの約4.5倍。ヒノキの6倍近い…という
杉の持つアドバンテージじたいが吹き飛んでしまう状況になりますからね。
それでなくても個体差の激しい杉なのに
「早く安く」という人間の思惑によって
よりその能力に大きな違いのある杉の流通になってしまっているのだとすれば
とても悲しいことです。
同一樹種かつ同一丸太であっても部位による違い
「杉の激しい個体差」を科学的にとらえていただいた後は
同じ丸太でもその部位による空気浄化能力の差異について考えていきましょう。
樹木が立っている上下と言いますか
「天と地」の方向のどこかでその丸太を切断した面を「木口(こぐち)」と言います。」
杉の場合、この「こぐち」部を電子顕微鏡で見ると
そこはまるで「ハチの巣」のようになっていまして
そのハチの巣の穴のようなところを仮導管(かどうかん)と言うのですが
この仮導管こそが杉の樹内とわたしたちの世界とをつなぐトンネルのような存在です。
また木は大地に根差した下の方の幹が太く
最上部の梢(こずえ)は細いという緩やかな円錐状の形状をしています。
そんな円錐形の丸太から真っ直ぐな木材を製造するということは
(肉眼では見えませんが)この仮導管というトンネルは
その数は少なくても
木材の板目部にもポツポツと存在していることは間違いないのでしょうが
木材の両端部の「こぐち」部に
そのトンネルたる仮道管の数のほとんどが集中して存在しているということになります。
もう一度、個体差の考察の写真を見ていただきますが
この見えているバウムクーヘンのような「こぐち」部に
仮導管という杉とわたしたちをつなぐトンネルが集中して存在しているということです。
ここで再び空気浄化のグラフを出します。
普通に板としてある「板目」と呼ばれる部位と「こぐち」という
同品質どころか、同じ丸太なのに…その部位が違うだけで
空気浄化能力には4~5倍の差異がついていますよね。
飫肥杉だと
465+275=740が心材「こぐち」部の空気浄化能力で
117+53=170が心材「板目」部の空気浄化能力になりますから
740÷170=約4.4倍も
同じ丸太の同じ心材部なのに…
板目部より「こぐち」部の空気浄化能力が高くなっています。
同様に大阪杉だと5.8倍もの違いがあります。
またやはり川井秀一先生のグループは
湿度変化時の「杉の呼吸(=空気浄化)」という
湿度(空気)の出入りという「杉の呼吸」に関する反応速度に関しまして
「こぐち」は板目の100倍も反応速度が速いとの研究結果を発表されていました。
雨がざっと降って、すぐに止んだとします。
当然、湿度変化が発生するでしょうから
杉は「呼吸」活動を開始して
周辺の汚染物質を吸って空気浄化活動をはじめます。
しかし、「板目」部は例えるなら、巨大な船舶のように舵の効きが遅くて
「こぐち」の1/100の反応速度なので
さぁ「吸おう!」と「呼吸」をし始めようとモタモタしているうちに
雨が上がってしまって湿度も低下してしまったから
たいして「呼吸」せずに終わってしまうかのごとくなのです。
しかし「こぐち」は巨大船舶の100倍も舵の効きが早い
船外機付きのモーターボートのように
きわめてツイスティに舵が聞きますから
短時間に瞬時に「呼吸」を開始して空気浄化をし続けるのです。
その結果が科学的にも
4~5倍という空気浄化能力に関する数字となって表れています。
この「こぐち」部が持つ大きな空気浄化に着目した弊社製品が
「MOZAIKU百年杉」や「こぐちパネル」です。
そしてこれらの「こぐち」をさらに凌ぐ空気浄化能力の瞬発力を有するのが
「チップ」ということになります。
もうその存在のすべてが仮導管の中身のような存在が「チップ」です。
しかしそれだけ空気浄化能力の瞬発力が高いということは
その能力のライフが短いということにつながりますので
百年杉チップ枕の香りとしてのライフが約1年程度。
「こぐちパネル」だとおそらく10年くらいで…
ゼロにはならないでしょうが
その能力の激減が予想されます。
京都の古寺の木の香が教えてくれるように
屋内使用であれば数百年単位という人生の長さとの比較において
半永久的に細く長く空気浄化行動を継続してくださるのが
「板目」部ということになります。
ですから使用初期から10年程度の
弊社製造の「こぐち」タイプのベッドを
凌ぐ空気浄化能力の寝床となりますと
そんな製品はございませんが
「百年杉心材(赤身部)チップ入り敷布団」ということになるでしょうか。
いずれにせよ
その能力の瞬発力が科学的にもわかっていますし
チップほど短期間ではなく空気浄化能力が高い
「こぐち」部の有効活用が
今後の「杉の活用」の大きな鍵になるのは間違いないのではないでしょうか。
たとえば弊社製品である「MOZAIKU百年杉」の
3センチ角の「こぐち木片」を壁に張れば
通常の百年杉を壁に張った際の4~5倍の空気浄化能力を
辺材部(白太しらた)は「水との反応による浄化」を中心に力を発揮して
心材部(赤身)は「抽出成分との反応による浄化」を中心に能力を発揮して
空気を浄化し続けてくれます。
ビニルクロスの上からペタペタ貼っていくだけで
空気の質は劇的に変わっていくはずです。
また辺材部(白太)には香りはありませんから
自律神経系へのマウス実験のような期待はできませんが
白太に含まれる水分=結合水が空気を浄化してくれます。
「白も良し。赤はなお良し。黒は極上で杉に捨てるところなし」
それが杉なのではないでしょうか。
さいごに…
いかがでしたでしょうか。
弊社が取り組み続けてきたことを
科学の力を借りながら記してきましたが
うまくお伝え出来たでしょうか。
今一度、「個体差の写真」を見てください。
例えていうなら
良い悪いではなく弊社の特異性はこの写真の左の丸太のみを
購入し続けて製造しているという点にございます。
(実際にこの丸太じたいが高性能というわけではありません。この写真内限定であれば、わたしたちはこの丸太を入手するであろう…という例え話です)
この一番左の丸太が入手できなければ何も買わずに帰るのです。
この2本右側の上の丸太クラスが欲しい…と言われても
弊社はやりませんから「ほかの会社をあたってください」と言うのです。
意地悪な言い方に聞こえてしまうかもしれませんが…
「〇〇産だから良い。」との表記となりますと
それではまるで
「うちのキャバクラは全員秋田県出身ですから秋田美人ぞろいです。」
と言っているような非科学的な表現です。
手法論もそうです。
「葉枯らし」は価値ある木であれば
ほぼ実行されている手法であって
樹齢に勝る精油分豊富だからこそ
乾燥の進行に難のある高樹齢の杉材であれば
ほぼそのすべてにおいて実行されていると思われる当たり前の先人の知恵です。
「葉枯らし」というメソッドが
その製品のクオリティを決定づけているものではないはず。
「月の暦に沿った伐期」もそう。
それが無意味だなんてわたしたちも考えていないどころか…
その関係の必然性をわたしたちも感じ取っていますから
むしろ肯定的です。
しかしその手法論のみで品質が決定されるのであれば
やはりそれは
「うちのこどもは公文式だから東大確実!」かのような非科学的なPR表記であるはず。
乾燥方法もそう…
木材製造において、もの凄く重要なファクターですし
乾燥方法によって、製品としてのその品質はもの凄く大きく変わります。
しかし「水は抜いても油は抜くな」の先人の教えの通りの
自然乾燥や超低温乾燥装置を経由すれば
精油分に乏しい杉材が
まるでバターを塗ったかのように…油ギッシュになるわけではないはず。
ふと気づいて見渡してみれば
これらの手法論のゴリ押しに近い…
高品質製品を想像させる見せ方の表記ばかりになってしまっていないでしょうか。
「木(杉)の目利き」たる人間抜きで
ストーリー優先(というかそれのみに近い感覚)にて
無理筋で「木(杉)の質」が語られている感を持たざるを得ないのです。
「最高のマグロを入手したければ、大間産であれば良い。」のではなく
「大間は最高のマグロが獲れる漁場ではあるが、その時期の最高のマグロを入手したいのであれば、豊洲の仲買人(マグロの目利き)を頼るしかない。」が正しいはず。
そうであるから
マグロの初セリでは最も旨いであろうマグロの個体が
数十人の目利きの見立てが1頭のマグロに一致するからこそ
セリ上がるのですよね。
そういう個体はたしかに大間産の場合が多いのですが
大間産であればすべてが最高品質なマグロであるわけでは無いはず。
目利きが最高品質であると見立てたマグロが最高品質なマグロなのです。
現在の、散見される脆弱なメソッド論オンリーの
非科学的な杉のセールストークばかりでは
「木(杉)の目利きになりたい夢を持つ子どもたち」は現れまい。
個体差激しい杉における高品質の杉とは…
キーボードやタッチパネルに触れる時間の長い方々が作ったストーリーのみの杉ではなく
わたしたちのように大型トラック数千台の分の
日本中の杉を見て手のひらにトゲが刺さりながらその肩に担ぎ続けてきた
「木(杉)の目利き」が高品質と認めた杉であるはずです。
また、わたしたちは
高品質の杉=百年杉を専門的に扱い続けていますが
それ以外の杉に価値が無いと思っているわけではありません。
メルセデスやレクサスにしか価値が無いとは思っていないのです。
「どんなマグロが最高なの?」ではなく
「目利きが最高と評価したマグロが最高」なはずです。
そして最高品質のマグロのみに価値があるわけでも無いですし
杉以外の樹種に価値が無いわけでも無いはずです。
「木の目利き」は、もはや絶滅危惧種です。
なぜ魚はちゃんとしているのに
木は「木の目利き」ではなく「建築の目利き」が幅を利かしているのでしょう。
その根底には「木なんてどこでも一緒だろうから地産地消」のような
考えは無いのでしょうか。
また特に月の暦までこだわった伐採をしている方々に対して感じるのは
そういう細部にまでこだわって伐採している材を
自宅に招きたいという気持ちです。
科学では表せませんが
「木」ではなく「気」のような世界から感じる
リスペクトであり好意です。
そういうところも科学的ではありませんが
もっと評価されても良いとわたしたちは考えています。
科学に裏打ちされた高品質な森の恵みの恩恵に
畏敬の念を持つべきだと考えますが
科学には表れないけれど
人間の情熱や技術の伝承に対しても
別枠でしっかりと敬意を持つべきではないでしょうか。
本項が、木を…杉を…身近に置きたいとお考えの方々の参考になればうれしいです。