(仮)「江戸時代に生を受けた杉」③ 最高の杉

昨日、弊社の林産地パートナーの畦地秀行くんより電話がありました。

「加藤さん、熊野の原木市場に来てるんやけど
150年~180年生のヤツなんやけど、ええわこれ。」

「どれくらいあるの?」

「10本ばっかやなぁ。」

「こないだの200年と比較して話してみて…」

「こないだのは…
目が詰んでて(成長が遅く年輪の幅が密になっていて)
誰が見ても良い木やったりぃ…
赤身の色も、ほらキレイやったし…
けど、あれと違って、これは加藤さん好みの木やわ。」

「ふ~ん。…」

「あぶらがある木やわ。わかるやりぃ…
尾鷲あたりの木ぃらしい木やわ。」

前回入手した200年生がまるで吉名小百合さんのような気品と…
誰が見ても美しいと感じる
グッドルッキングな杉であったのに対し
今回の杉は、まるでマリリンモンローのような色気…
滑稽なほどの色気…いや精油分が予想されるとの事。
(実際の私の女性の好みを言ってる訳ではございません 笑顔 例え話ですよ)

「こないだのより…樹齢は劣るが香りは…ってことな。わかった。いけそう?…。」

「いやそれがなぁ…
(和歌山の)Iさん(知らない人はいないであろう…高樹齢杉材ブランド製材所)も
来るらしいし、吉野の…」

「例のドン…」

「そうなんよ。あの人来たら、もう根こそぎやからなぁ…
わしらに何も残してくれへん。(笑)」

解説いたしましょう。
今回の目玉のこの樹齢150年~180年の約10本の最高級の杉の前に
それより少し若い(目的地以外ではあるが…)100年生の丸太などを
根こそぎ落札していって…
目玉商品も私に落札しなさい!…という流れをつくって
プレッシャーを掛けて…
TOPの丸太をせり(オークション)で落札していくのである。

セリ子(オークション管理者)も
そこまで買ってもらって…
最高級品だけを他の製材所さんに落とすのは気が引けるし
他の製材所さんもおじけづいてしまって、歯向かいづらい。
せり(オークション)とはお金だけの勝負ではないのです。
気迫!迫力!執念!も必要…いや“も”じゃなくて“が”必要なのです。

ちなみに畦地君は10時開始~15時くらいのセリ時間の中で
ハーフタイムの昼食は必ずとらない。
それは満腹になって
闘争心というか自分の迫力がそがれるのが嫌だからだそうです。

江戸時代に植えられた…
そして偶然ではなく…
その頃に、現代である150年~180年後の最終主伐伐採を想定した
植林や180年間の施業をし続けてきたという…
「狙い…そして情熱の継承によって今ここにある最高峰の杉材」はお金だけじゃ入手できないのである。

「それに、セリ子に聞いたら、島根からも来るらしいしなぁ…」

再び解説いたしましょう。

樹齢150年と言ったら
江戸時代に植えられた杉です。
こういった木はそうそう伐られるものではありません。

そして、こういう希少価値の高い高樹齢杉丸太に興味がある製材所さんも
やはり限られているのですが…
オークション主催者は
価値ある丸太が高価に売買される事を望みますので
そういうやはり限られた会社に…
「凄い丸太が出展されます。いらっしゃいませんか?」
というお誘いをするのですね。
そういう訳で名前を皆知っているレジェンド製材所さんの
目利きの親父さんたちが集まってくるのです。
ライバル多し…。

建築に使う杉材が主力の製材所さんは
あまり高くなく、そこそこの杉を、建築業界側が、ほぼほぼみんなが求めていますので
こういった超高樹齢材には、ほぼほぼ興味なし。

これらの超高樹齢材の入手を日常とする製材所さんは
皆、ブランドメーカーです。最高の杉を求めた際に
それに応える用意があるから誰もが一目置くブランドメーカーなのです。

ところが私と畦地くんはそうではない。

約10年間に渡って、高樹齢材たる「百年杉」を…
何らかの不都合ある方に、時には配って…
様々な各種の症状改善の「個人の感想」を頂戴し続けてきて
「杉の素晴らしさ」への予感が、ようやく時を経て「確信」となって…

それなら最高に「効果」を望める杉とは…

我らの日常である「百年杉」を超える樹齢。
そう現状での入手可能な限界樹齢である 最高峰である

150年~250年の超高樹齢杉材の「新ブランド」の立ち上げをにらんで
ありがたい事にブランド化!前売りのお客さんにご予約までいただいて
今日に至るのである。

高品質杉材の入手へのアプローチが先輩方とは全く違います。

ここまで価値の下がってしまった森の恵みの再評価へのトライの10年間。

木(杉)の価値向上のための10年間。

その10年間の学習こそが最高峰の杉材の認識を我らにさせたのです。

 

レジェンドの先輩方を尊敬しながらも…
砂を噛みながら、靴底を減らしながら
ドロップアウトする人もたくさんいたけど
結局、継続してるのは二人だけ。残ったのはふたりだけ。

誰も未だに着手しない…
高樹齢高品質杉材を欲しがっていただける…
ありがたがっていただけるマーケット作りをやり続けてきたのである。
オークションの前に「試合放棄」はあり得ない選択なのだ。

「(レジェンドの先輩から見れば…)鼻たれ小僧の畦地くん!
それらのレジェンド達を向こうに回し
若き君が、現状の入手可能な杉材のほぼてっぺん!!
私が依頼を受けている…最高峰の江戸時代生まれの150年over杉材の
予約販売の為の原木を落札すべく頑張ってください。
大変とは思いますが、ひとつよろしくお願いします。」

「わかりました。頑張ってみます。」

「市日(オークション日)はいつ?」

「金曜日(20日)です。」

さぁ、あとは私には待つことしかできませんが
果たして結果はいかに…。

(がんばれ畦地くん!)
(がんばれ畦地くん!)