『百年杉』の専門会社 加藤木材

少し前の話が続きますが…
「超低温木材乾燥装置」である【愛工房】の発明者の
伊藤好則氏がお星さまになられて…
その「お別れの会」に行ってきました。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。

もちろん弊社の【百年杉】製品の全ては
この【愛工房】経由の製品です。

「なぜ?杉なの??」と問われれば
わたしの考えとしては…意外に思われるだろうけど
木材よりも…国菌である麹菌との抜群の愛称であろう。
「母なる海」のような感覚。
麹菌の母なる場所は杉なんですね。

もっと詳しくフォーカスすれば
杉は杉でも赤身という部位であり
さらには樹齢100~150年以上の赤身部ということになります。
それが無いと麴菌は元気に繁殖できないからね。

だからこの国の気候風土の中で最も大切な“いのち”は
「麴菌」であり、麹菌が元気であり続けないと
日本国民が生き続けられないという太古の昔の賢者が「気づいた」からこそ
神道は杉を特別な樹種として位置付けていたのでしょうね。
まぁ記述は無いけどね。杉は船のため…しか書いてないけどね。

もし?日本書紀に
「食」の大切さと麴菌のありがたさと…
麴菌が元気になるには杉!って書いてあれば
この国の歴史は変わってたと思うな。

でもその杉という木は、乾燥過程に難があります。
とにかく「乾かない!」から難儀。
乾かないままに木材利用をしてしまうと
著しい形状変化を産んでトラブルになってしまいますからね。

しかも麹菌を元気にしたり…
睡眠に最適な香りであるとか…
それらの効果・効能が高い高樹齢の色の濃い赤身部の杉(=黒心:くろしん)に
なればなるほど乾かないから、困ったちゃんなのだ。


(この写真のような杉がもの凄い魔法!を持ってるのですが…乾かないのです)

ポテンシャルの低い杉は、まぁまぁ…なんとか乾くけど
ポテンシャルの高い杉ほど乾かない。
ここに「杉の活用」の難しさがあります。


(この写真内の赤身部の色の薄い杉であれば、なんとか乾くけど魔法力は小さいのです。
弊社は前出のような色の黒い~この写真だと左端の杉=魔法力が高い杉のみを
セレクトして製造しています)

植物の血液のような大切な精油分は
50℃超の温度で揮発消失します。
これを利用したのがアロマオイルの抽出法ですね。
各種の木材の魔法とは精油分が源です。

わが国の木材乾燥装置の温度は70~80℃くらいが主流でしょうか。
けれども50℃を上回る温度の木材乾燥装置を経由してしまうと
魔法のタネが揮発してしまうから
「杉の魔法」のような様々な能力が大幅にダウンしてしまいます。

この「杉の魔法」能力が少ない杉はなんとか…乾燥するのに
「杉の魔法能力」の高い杉ほど乾燥が進まないから
自然乾燥では乾ききらない…それこそ年単位になってしまう。
現代ビジネスではとてもじゃない年月である。
けれども高温で乾燥させちゃうと「魔法能力」が大幅に低下してしまう。

だから「50℃未満で乾燥させる木材乾燥装置があればいいのになぁ」
というところに現れたのが【愛工房】でした。
今は他にも50℃未満の木材乾燥装置もあるみたいですけどね。

「杉の活用」が進む技術的な裏付けが登場したということですね。

「木材の乾燥」とは成分の分解ともとれる過程です。
樹木は成長を前提とした営みを継続していますが
木材となれば成長は不要なので、「乾燥」という分解行動をとっていきます。

「魔法使いの杉」であればあるほど
分解行動が進まないということは
そこもやはり強固な魔法の源であるという感じなんでしょうね。

麴菌はその
「乾かない=強固に安定した分解しづらい杉の魔法の場所」を
好適な環境としたのでしょうね。

「凄い杉ほど乾かない!乾燥するには、もの凄い時間が必要!」

でも杉が無くては麴菌が元気にならないからね。
日本人は待つしか無かった。生きていくには待つしか無かった。

魔法使いの杉が無ければ…
この国において神さまとのコミュニケーションに必須な日本酒もできないし…
豊作時にもその物質を腐食させずに…それどころか
栄養価さえも高めるかのような…
発酵という過程を経ての
お味噌も…お醤油も無い世の中!になってしまう。

だって、杉が無ければ麴菌も元気ないから
発酵が進まないから、日本人も生きていけない。

ぼくはこの「凄い杉の乾燥までの長い時間」とは…
日本人が「足るを知る」ために提示された期間だと考えています。
ようは生き続けるためには「(杉が乾くのを)待つしかない」体験をすることによって、

待つことによって「おごるなかれ!足るを知る」という
「気づき」を得てきたと考えています。
だって日本人が生きていくには、待つしか無いんだもんね。

【愛工房】は、そういう意味でも実に画期的な木材乾燥装置でした。
自然界に存在する温度で乾燥させるというだけではなく
かなり早く乾燥する装置ですからね。
極端に言えば、数年や数か月が数日くらいの感覚。

ただ…わたしもそうだけど
「待つ」ことをしなくなって、失ったモノはあるかもしれません。
何でも「早い」ことを「良し」とするけど
本当はそうじゃないのかもしれません。

長くなったので、次項につなげますね。