『百年杉』の専門会社 加藤木材

精油分比較 百年杉と広葉樹 (集中連載20)

『百年杉』の専門会社 加藤木材

いつも大量に文字を書いてるので

たまには画像を有効に使おう!…とばかりに…

サンドペーパー♯80を

北海道産のナラと百年杉にかけてみました。

右が北海道産のナラ)(左が「百年杉」)
(右が北海道産のナラ。左が「百年杉」)

 

 

80番といえば結構粗い番手です。

それでゴシゴシとやすり掛けをしていきます。

 

DVC00924.JPG左右の「紙やすり」のコンディションの差異がお分かりいただけるだろうか?

ナラ材はほぼそのままなのに

「百年杉」をこすった紙やすりは何やら黒っぽいモノが付着してるでしょ。

アップで見てみましょう。

(「百年杉」の紙やすりに付着した精油分豊富な為に付託した「百年杉」の粉)
(「百年杉」の紙やすりについた、精油分豊富な為に付着した「百年杉」の粉)

 

まぁこれが豊富な精油分の証明ですよ。

…ようは「紙やすり」でこすって剥離した木材の粉が

しっとりとしているから

このようにダマになるのですね。

 

逆にナラ材は

剥離した粉が、それこそ「粉っぽい」から吹けば飛ぶどころか

サラサラと無くなってしまいます。

(ナラ材の紙やすりはまったく付着物なし)
(ナラ材の紙やすりはまったく付着物なし)

 

ナラの木はたしかに固いけど

このように精油分はほとんど感じられません。

 

整理しますね。

洋材系の家具屋さんとかがよく言う

「杉なんか使えない。ナラなどの広葉樹が1番。」というのは

①まず硬さ

固い方が傷つきづらい。クレームになりづらい

②扱いやすい

だって杉は「紙やすり上の粘着質な木の粉を振り払って作業」×リピートですから

作業手間は3倍くらいかかるでしょ。

③しかも重いでしょナラは。…という事は

木材内の空気は少なく、内部は木材部が多い=湿度変化時にたいして空気を吸い込んだり吐いたりしない=材の形状変化が少ない。クレームになりづらい。

 

まぁこんなとこでしょうか。

杉バカの物言いだから、ちょっと手厳しいかもしれませんが

全部自分(=家具屋)の為になる事項であって、たいしてお客様の恩恵も無い気もします。

 

以降は私の解説です。

①ナラは固いだけで精油分があまりない。精油分は我々の血液のようなもので、空気浄化であったり、芳香として我々は感じているが、杉であれば鎮静効果などの魔法を持っている。ナラなどを加工していても「ほこりっぽい」だけだが、杉は心地よい香気を感じます。血液の無い木よりたっぷりある木の方が、私たちにとっての恩恵は多いのでは…。

 

②固く材の内部に空気が少なく、前述のとおり精油分が希薄だという事は

まずたいした量を「呼吸」しないという事であって、身近にあっての調湿作用も少ない。

湿度変化時の材の形状変化が少なくてgood!との評は逆にたいして屋内空気環境に貢献していないとも言える。

 

③さらには固い木は内部に空気が少ないから「冷たい」」

我々は胎児の頃よりの「ぬるま湯状態」とママの身体の肌触りを

好適な触感として記憶し、そこからさまざまなアレンジの「経験」を経て

好適な環境と不快な環境を感じているのであろうが

 

固く…冷たく…ガサガサな(精油分少なく)感触は「好適な触感」とまでは感じづらい。

④対して杉は柔らかく、精油分豊富でしっとりと温かく…すべての樹種の中で

もっとも母の感触に近い木である。

 

その好適な触感は脳に伝えられ

更には各種の神経を通じて全身の臓器に

「現在、異常なし。現状のままでOK!」との状況報告をおこないます。

 

不快な状況の触感・臭気の連続である現代のケミカル「住」環境では

ナラ程度の安らぎでは足らないのではないだろうか?

 

16年渋8月の渋谷ヒカリエでの弊社出展期間内に

多くの欧州人の方々にも弊社展示コーナーにもお越しいただいたが…

香る「百年杉」に対するリアクションはおおむね良好も…

 

「この木(=「百年杉」)にはフレグランスを注入しているのですか?」(イタリア人男性)

 

この問いは乾いた大地である欧州には

湿潤な森の恵みである我が国の杉のような香る木が無いことからのご質問であることがおわかりいただけますよね。

逆にこのような質問をするような日本人がいないことは

我が国は湿潤な森の恵み=香る木の民であることの証明でもあります。

 

欧州人は木じからの無い…香りのしない木ばかりの乾いた大地の住民でありますから

…されど植物を身近に感じる渇望から

「材油」ではなく「葉油」を採取・調合して

アロマの文化を創り出してきたのでしょう。

 

…されどされど、「葉油」は精油分が「材油」と比較すると

桁違いに多過ぎて、どうしても刺激的な芳香になります。

いわゆる「薬効」「生薬」に近い。

同じ成分でも、質量が変わると香辛料や味付けが大きく変動するでしょ。

それと同じ。

 

だから欧州人は「百年杉」の芳香を「good smell!」などと

言いながらも、もうひとつ香気にパンチを欲しがっている感じでした。

ほらほら、こうやって杉から考えほどいていくと、欧州人のご婦人の香水の香気のパンチが効いてるのも

理由が理解できるでしょ。

 

それと重なって、対蹠的な医療の発達というのも、わかる気がします。

 

それに対して、微弱な精油分(=芳香)を超期間に渡って吸引することによる「未病」の精神と自然への畏敬の念。

そしてそれらによる各種の症状改善と体質改善。

 

つくづくこのあたりの分野は湿潤な森を持つ

我々がもっと探求していかなければならないのだけれど

残念ながら、我が国の学問は西欧の影響を受け過ぎていますので

やはり進みません。

なんていうのでしょう。

文化・発想…憲法というか、真逆に近いのですね。

「オーク文化の礼さん」と「百年杉の復権」は…。

 

「百年杉」の睡眠もリラックスも

その魔法の源は「精油分」のはずです。

 

ですから

こうやって、弊社は探求し続けていきます。

 

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