『百年杉』の専門会社 加藤木材

林野庁に採択された【百年杉】の効果実証検証事業第2弾で使用する
杉床材の比較である。

よく聞かれる質問に「どこの杉が良いのですか(産地)?」という質問がありますが
それは日本中にあります。と答えしています。

現代人であるわたしたちが、杉に求めるものが鎮静効果のようなものであるなら
それはおそらく精油であり香りが源になるのであろうから、それらは樹齢に比例しますから、日本中にあるであろう…高樹齢の杉材が「良い杉」ということになります。

右が【百年杉】。左が50年杉70℃乾燥品

しかし、樹齢50年程度の杉が「悪い杉」というわけではない。

「悪い杉」など存在しない。「悪い」のはいつでも、わたしたちである。

50年程度の杉であっても、【百年杉】ほどではないが、香りはするし精油も存在する。
高樹齢杉との比較において「少ない」だけのことである。

これが【百年杉】赤身部のアップ

軽自動車が普通乗用車よりトルクが無かったり、非力であることと同じようなことである。

しかし、この実証事業で使用する50年杉は違う。
ほぼほぼヒトへの恩恵は無く、「害のない素材」に等しい。

その理由は70℃くらいの人工乾燥装置を経由しているからである。
そしてさらに言及するなら、これらの製造法の杉材は極めて大量に流通していて
現在の杉材の主力商品である。

これが50年杉70℃乾燥品の、同じく「赤身部」である

植物精油の揮発温度は50度弱くらいである。
ですからサボテンなどの特殊な植物を除いて
植物はそれらの気温が継続する状況下において生きていけないはずである。

この地球上に70度の気温になる場所は無い。

そういう状況下に杉を置けば、せっかく大地に50年あって蓄えた植物精油は大量に揮発して、香りも無ければ、触れれば「手あか」に染まるようなパサパサの質感となる。
【百年杉】は触れれば手に香りが移る。油はある方から無い方に移る。高樹齢杉になれば、

「わたしたちの手なんかよりも油分が多いのである。だから手あかにはならない。」

精油分と香りの恩恵をいただきたいのに
そこを消失させている杉床材である。

「乾燥製品の普及による品質向上」×「安価な製造方法」=「魅力無き、香りなき杉製品」

になっています。

まるで無農薬・無肥料栽培=自然栽培のお野菜のという自然界の力が宿る“いのち”を
電子レンジ調理によって、その全てを消失させているかのような愚行である。

「殺された杉製品」である。

これらの製品を批判するのは簡単なのであるが
実はこの問題はかなり根が深い。

産学官…みんな「やっちまった」ことは理解していても
誰も責任を取りたくないし、実際にとれないと推察する。
だから放置のような状況である。

赤鬼と青鬼というたった2匹を退治すれば世界平和になる時代は過ぎ
小鬼が数百~数千もいて、役割分担しているからね。
「責任を取らずに済む手法」を多数の小鬼で運営し続けていく…。

だからそこはほっといて、顧客予定者に対して
「ご注意くださいませ!」のアウトプットの継続が重要であるはずである。
がしかし、木材生産~流通にかかわるモノは
こういった「殺された杉」の生産や販売をしているので、黙っている。

また建築業界は「害が無いから木を使うまでさ。」であるので、「植物の質の違い」という哲学を有さないので、こういう「殺された杉」の使用もへっちゃらのように思う。

だからわたしは木材業界や建築業界への啓発活動はスッパリとあきらめて
現在に至るのである。

杉の学名は「クリプトメリア=ジャポニカ」
その語意は「隠された日本の財産」である。

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