『百年杉』の専門会社 加藤木材

『百年杉 13年間の探求』
(4)百年杉は、いびきに効く?

化学物質の侵入を鼻毛が防ぐ?

「上京してから鼻毛が伸びるのが早くなった気がする。」という地方出身者がいます。

福島第一原子力発電所で働く作業員さんが、「鼻毛と耳毛の伸び方が尋常じゃない。」と証言しているという朝日新聞の記事も印象に残っています。

『百年杉13年間の探求(2)皮膚は、何を感じ取っているのか?』でも触れたように、「海外の研究では表皮ケラチノサイトは空気中の酸素濃度を感知していて、その変化によって、赤血球の生産量を調整するシグナルを出すことが報告されています。」と傳田光洋博士は『サバイバルする皮膚』(河出新書)に書いています。

つまり、皮膚が「周辺の空気の質」に関する探査機能を有することは間違いないようです。

そして「周辺の空気の質」の状況は、当然脳にも報告され、ホメオスタシス(恒常性維持機能)の働きとして、生存の安定を図るべく脳は体内各所へ指令を出す。皮膚による情報探知は、そうやって機能するのでしょう。

そうでなければ、皮膚がこれだけの高性能を有する進化を遂げてきた意味がありません。

やはり「皮膚⇔脳」の連絡は、「脳⇔腸」と同じように絶えず行われていると考えると納得できます。しかも、周辺の空気中の酸素が薄い状況下では脳を介さずに、直接、赤血球を増やすべくシグナルを出すなんて、まったく驚きの能力です。

これだけの周辺空気探査能力を有する皮膚なのですから、空気中の物質に関するリストも皮膚に記憶されていて、進化の過程で継承されているのかもしれません。

二酸化窒素(NO2)は自然界にも存在する物質ですが車の排気ガスに多く含まれ、喘息(ぜんそく)などの主因とされる物質です。自然豊かな地方から都会に出てきたら、皮膚は周辺のNO2濃度が高いことを感知して脳に報告し、脳はフィルター「鼻毛」の増産を命じ、結果、ぐんぐん伸びるのかも。……あくまで推論ですが。

作業員さんの談話も、セシウム137はもともと自然界には存在しない物質なので、周辺に識別不可能な化学物質が高濃度で含まれていることを皮膚は脳に報告し、勢いよく鼻毛が伸びたと思われます。

いびきも鼻毛と同様の予防反応かも?

では、高気密な現代住宅で、どんなことが起きているか推測してみましょう。

わが国の住環境は、ビニルクロス使用率90%超え(*)という化学物質過多の状況にあります。

ビニルクロスの原料であるポリ塩化ビニル(PVC)には、可塑剤「フタル酸エステル」が添加されていて、それが空中に微量ながらも揮発しつづけています。
それを皮膚が未確認化学物質ととらえ、脳に報告していると思われます。
(*)イケダコーポレーション「オガファーザー」資料より

その未確認化学物質の侵入を妨げるために、鼻の奥の上咽頭(じょういんとう)の通路を狭くするよう脳が指令を出しているのではないか。そしてその結果、吸気口を絞るよう脳から指令が出て、「睡眠時の大きないびき」をもたらしているのではないか。私、加藤政実はそう推論しています。

鼻の奥は上咽頭(じょういんとう)という場所になります。

わたしたちは人生の9割を屋内で、半分は自宅で、3分の1は寝室で過ごしています。これほど多くの時間を過ごすわけですから、屋外での排気ガスに対する鼻毛の増毛指示よりも強い対策として、上咽頭を狭くするという対策を脳は追加発動している。
そう考えると、百年杉でいびきが消失・軽減したというお客様のお声がとても現実的に理解できるのです。

ちなみに、ビニルクロスに含まれるフタル酸エステルは欧州においては規制が強化されつづけています。
従来の使用禁止措置に加えて、新たに開発されたフタル酸エステル系化学物質に対する規制は「いたちごっこ」の様相で発展しているようです。

わが国でも6歳未満の子どもの遊具での使用は禁止されていますが、妊婦さんや赤ちゃんが住む家の90%以上の壁・天井に大量に使用されているのが現状です。強く、危惧しています。

ビニルクロスをやめるべき理由がある

ポリ塩化ビニル(PVC)の添加物「フタル酸エステル」は、素材をしなやかにするために添加されるのですが、ある程度の年を経ると、しなやかさが抜けて劣化し、パリパリに崩れていくのが観察されます。

例えば、屋外に置いてある樹脂製プランターの劣化を思い浮かべてください。パリパリ、ポロポロ、カサカサ、壊れていきますよね。
おそらく使用中、添加物「フタル酸エステル」は、じわじわと揮発放出されつづけているでしょう。

室内のビニルクロスも同様だとすると、添加物「フタル酸エステル」が室内に揮発しつづけているうえに、わたしたちの目に判別できないくらい小さな小さなマイクロプラスチックになって屋内を浮遊しているのが見えるような気がしてきます。

日本消費者連盟の勉強会に参加したときに知りました。ビニルクロスも、広義においてはプラスチック製品のひとつと位置づけられます。
プラスチックには100種類くらいあって、日常で触れるモノだけでも50種類くらいあるそうです。

分類すると、

1.ポリエチレンテレフタレート(PET) 【〇】
2.高密度ポリエチレン(HDPE)    【◎】
3.ポリ塩化ビニール(PVC)     【×】
4.低密度ポリエチレン(LDPE)    【◎】

上記の数字は商品に表記記載されている番号で

1は、いわゆるペットボトル
2は、ごみ袋
3は、ビニルクロス
4は、ラップなど
に使われています。

右側の◎、○、×は、著作も複数ある先生の「一般的な安全性」の評価です。

加藤木材が、ビニルクロスを使わないリフォーム工事しかしないのは、こうした資料からの配慮なのです。

これまで環境省がおこなった調査などによれば、フタル酸エステルは「内分泌かく乱作用を有する化学物質」にはあたらないとの研究結果もでています。

ただし数十年というウルトラ長期使用という時間軸は、研究結果として反映されていないでしょうから、長時間過ごす家の床や壁の素材は、超保守的に取捨選択していきたいものです。

「とんこつラーメン」は安全な料理です。
しかし、毎日3食全てをとんこつラーメンにして、それだけを食べて数年間が経過すれば病気になるでしょう。

「住まいの素材の質」の選択は、むこう30年間の食材の事前発注のような極めて重要な行為です。
だから、ビニルクロス施工を平気でする建築業界人は、とんこつラーメンを3食毎日オーダーするお客様に、「もっとバランスを考えた食事にしないと病気になっちゃうよ!」と忠告せずに、「安全なんだから関係ないや!」とばかりに黙って、とんこつラーメンを提供しつづけるラーメン屋のように思えてなりません。

お客様の幸せのための仕事なのか、
自分が稼ぐためだけの仕事なのか。

というわけで、弊社のリフォーム工事には、ビニルクロスはいっさい使用いたしません。

お客様からの「百年杉によるいびきの消失・軽減」という数々のお声の科学的な立証に大きな期待を寄せつつ、次回もひきつづき、「なぜ?みな百年杉で元気になるのだろう?」を考えていきたいと思います。

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