『百年杉』の専門会社 加藤木材

「伊藤好則氏のお別れの会」で
久々に船瀬俊介先生にお会いしました。

船瀬先生と最後にお会いしてから
随分と経っていましたから
ご挨拶に伺った際にも、わたしの事は失念されておられました(笑顔)。

もう時効だろうからお話ししますね。
現在の【百年杉】の原型である
「伊藤さんの【愛工房】とわたしとの出会い」の時期の
船瀬氏の著作である「奇跡の杉」誕生秘話なのですが…

あれって1DAYのわたし(+2名の木材関係者)と
船瀬さんと伊藤さんとの5名による4~5時間ほどの対話だけで
「えいやぁ!」って感じで本になったんですよね。

だから本の内容として…
「加藤政実はこう言っている」調の言葉が多いのね。

船瀬さんも伊藤さんも木のプロじゃないからね。
だからお二人とも、もの凄くぼく達の話しへの
「食いつき」が良かったのを覚えています。

建築…住まい…ではなく「木とヒトの関係性」のような話ね。

そういう「今、知った木の話…杉の素敵な可能性」を
本にしちゃう熱量が、あの二人にはありましたね。
そこが凄かった。昭和の男の熱量ね(笑顔)。素敵だった。

船瀬さんに…

「加藤政実です!『奇跡の杉』の際には、大変お世話になりました~!」
「おっ!(あの時の)加藤君かぁ!君の事は忘れないよ~!覚えてるよ~!!」
「(さっきまで忘れてたのに…笑顔)あざーす!!」
「君の『北風と太陽』の話は一生忘れないよ。」
「(なんだっけ?ぼくも忘れてるし…爆!)」
「【愛工房】は温度が低い。でも『北風と太陽』じゃないけど
杉には杉で…汗かきたい温度があるわけであって…温度が高ければ良いというわけでは無いはず。君のこの『北風と太陽』理論を、ぼくは忘れないよ!」
「(すいません!言ったわたしが忘れています 笑顔)恐縮です。
ありがとうございます!!」

「奇跡の杉」の執筆に関します時効の話しと
船瀬さんとの最新のやり取りでした(笑顔)。

【愛工房】は、「とても素晴らしい技術」だったのですが
広がらなかった。杉の素質を存分に生かす技術だったのですが
それが広がらなかったのですから、「杉の素晴らしさ」も広がらなかった。

その理由を推察するに、その理由は1つや2つではないと考えているのですが
わたしが思うモノをここに記したい。

まず伊藤さんに「広げようとする意図が無かった」ように思います。
木材乾燥装置じたいは製材所が購入するのだけれど
製材所さんにはいわゆる「ソーシャルな思い」と言いますか…
自社の利益と社会性をもった自社の存在を
大地の循環の中で考えるような製材所さんが皆無に近かったという点。

その結果、伊藤さんはその「情熱を有する木材供給者」に自らなる事を
お選びになったのではないでしょうか。

木材乾燥装置の販売者ではなく
「杉の魔法」を蘇らせる木材乾燥装置を経由した
木材供給者の立場をお選びになったのではないでしょうか。
(あくまでもわたしの推測です)。

あと…ビジネス上のつながりは継続しながらも
もう10年以上も、伊藤さんとわたしがお話しする機会が無かったのは

伊藤さんは
「【愛工房】という杉の素晴らしさを生かす木材乾燥装置が素晴らしい」を
伝えたくて、わたしは「杉じたいが素晴らしい」を伝えたいということで

似て非なる真意を持っていましたから
ケンカしたわけではありませんが、ご一緒する機会は減っていきましたかね。
(伊藤さんが杉の素晴らしさを理解していないという意味ではございません)

伊藤さんがお星さまになられても
伊藤さんが発明した【愛工房】という素晴らしい技術は残りますし
杉の素晴らしさが、乾ききった現代住宅に必要であることも明白ですので
わたしは変わらずに手柄をすべて杉にお譲りして精進を続けて参ります。

「素晴らしきは加藤ではなく杉なのさ!」