『百年杉』の専門会社 加藤木材

関西地方には友人もいるのですが…
7月~8月と休みなく働いていておりまして
泥カキのボランティアなどの行けなくてとても申し訳ない気持ちである。

そんな中…なんと!「ボードウォーク廃材加工の“木のしおり”」は
フジロック2018の3日間において完売!であった。

(世界中に散らばっていった木道廃材の”木のしおり”)

わたしは感動を禁じ得ない。

「木のしおり」という商品がこの世にあれど…
3日間で1000枚以上が購入されたことは
おそらく人類の歴史にはあるまい。

そう…配布ではなく購入なのである。人類初である。

わたしの「企画」を実現してくださった関係者の方々には感謝なのですが
わたしの「打てば…」に「響いて」くださったフジロッカーには
深謝と申し上げるしかない。

あなたたちは凄い。
ほんとうにありがとう。まったく凄い。

(フジロック終了後の月曜日朝イチのグリーンステージの風景。よくある”つわものどもの夢の跡”たるゴミの山ではない。わたしは音楽も好きだが…フジロックが好き…フジロッカーが好きだからお仕事させてていただいているのである)

わたしの仕事は人間界でのみ理解しあえる設計とか施工といったカテゴリーではない。
「木のお仕事」ですから
木のプロであり、植物の代弁者であるつもりである。

わたしのミッションは…人間界の細分化され効率化された仕事ではなく
人知では到達できない自然界の「森の恵み」によってのみ得られる領域があると
広く人々に伝え続けることである。

森の恵みのありがたさを知りしモノだけが得られる
「おごるなかれ…足るを知れ」を伝え続けるのがわたしの仕事なのである。

ボードウォークはわたしたちが靴で歩く板である。
砂…小石…折れてしまった釘…が埋まっているボードウォーク材は
刃物がダメになるので、おそらくは施工の技術系の人間は誰も触れたがらないであろう。
ましてやそれを加工して…“しおり”にして販売なんて…誰も言い出さない。

大工さんとわたしとの「木への愛の違い」がわかりやすい例のように思います。
「良いor悪い」では」無いのである。
「木への愛の熱量」が違うのである。

大工さんや家具屋さんにとっての“木”とは
削り…掘り…「作品」を創る為の素材なのであろうが
わたしにとっての“木”とは親…兄弟…のような感じであろうか…。

だからその素質の開花~性能を発揮できないような中温・高温乾燥された杉を見るのも
ウレタン塗装された木を見るのも悲しい。
なぜ?そういうことをするヒトが木への傷害罪で起訴されないのであろうか。

そう…「植物の代弁者」であるわたしたちは
ある意味、もっとクレイジーなのである。
そして「売れない分はお金はいらない。」から
”木のしおり”をやらせてらえないだろうか…と言い出して

そしてその結果が「完売御礼!」なのである。
こんなにうれしいことはないのである。
その喜びもクレイジーなのである。

そう…こんなアホな試みは「木のプロ」でしかできないのですが
そんな「打てば…」によくぞ「響いて」応えてくださったフジロッカーなのである。

(「フジロックの森」のビレッジトークに出させてもらいました。わたしの右は竹紙で有名な西村さん。フジロックペーパーという”仕組み”までつくっちゃっています。凄い!左はこのプロジェクトの主役である町役場の古川さん。情熱も知識も有する素晴らしい方です。)

 

時はちょうど…
海洋に流れ込んだプラスティックが生き物を傷つけ…殺し続けているのに
わが国の代表は“考え”を披露せず会議場を去るという時期でもありました。

木は環境の負荷にならないばかりか
新たな“いのち”の下支えもしてくれるマテリアルである。
やがて世界中に散らばった1000枚以上の“木のしおり”は割れてしまって…
役目を終えるのであろうが

その時、フジロッカー達は
“紙のしおり”では味わえない
“木のしおり”の得難い好適な“肌触り”の消失に気づいて
ふたたび、“木のしおり”を求めると思いたいのである。

「おめでとう。けれども来年は売れないよ。」

という声も聞こえてくるのですが

 

これだけ身の回りに木が無い現代社会においては

「きっかけは“木のしおり”」は充分あり得る話だとわたしには思えるのである。

今に見てろよ。

設計のヒーロー…ヒロイン像とか
施工の耳障りの良い…匠(たくみ)なストーリーづくり全盛の現代において

「わたしたちの人知だけでは到達できない領域が木にはある。
森の恵みはそれを教えてくれている。」

という…手柄はぜんぶ木にお返しする
「植物の代弁者」としての発言権を絶対に得てお見せしましょう。

(ミヤマクワガタまで”木のしおり”完売の御礼にやってきてくれました。5歳~60歳代までのすべての男子は「あ!ミヤマだ!!」とまるで名字のように呼ぶのですが…女子は””クワガタ”って昆虫名で呼ぶのが面白かったです。)

 

たしかにヒトも素晴らしいのですが
ヒトでは到達できない領域が黙して語らぬ植物にはあるのである。

ヒトの魅力は他社に任せて
わたしは植物の代弁者であり続けたい。

(ボードウォーク廃材で作ったサイン中央部には明らかに黒くなった「腐食」した部位がありますが、そこを避けて…”木のしおり”は製作可能なのである。クレイジーな考えも続けていればやがて誰かが振り向いてくれるはず…と思いたい 笑顔)

追伸:「売り場」において地元の町役場の方々…観光協会の方々が暑い中、声を枯らして、「木のしおり」への思いとストーリーをお客様に語り続けてくださったからこその完売でございました。ありがとうございました。読んでくれてるかなぁ…

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