この本は昨年の夏の終わりには読み終えていました。
名著である。
わが国のわが国足る所以(ゆえん)が理解できる本である。
もしお読みの貴方が、なんらかの「改革」だとかにご興味がお有りなら
是非読むことをお勧めします。
まずは現状を知らないと「改革」もできまい。
「既得権益者⇔役人⇔学者」の構図にメディアと政治家も入ってくるのでしょうが
この構図はおそらく我が国共通の図式ではないだろうか。
その昔、加藤政実少年は「桃太郎」のように
将来は…社会の悪である「赤鬼と青鬼」を倒して
この国の平和に貢献しようと目を輝かせていたのですが
3.11がおきて、自分も青鬼の一部ということを知り…
恥じて勉強をやり直したのですが
この本を読めば…やはりこの国には「鬼」はいないのです。
みなが加害者として「鬼」を分担している感じ。
ウナギはおそらくもうダメでしょう。
トキもそうだったけど、生物はある一定数まで減少すれば回復不可能なのです。
それでは試験的に5年間ウナギの幼魚捕獲の禁止などの動きが出てくるかと言えば
おそらくどこからも出てこない。メディアからもね…。
誰が悪い…ではなく皆で「青鬼」を分担しているので
「悪さ」も分担している分、加害者意識が薄い。だから続いていく。
日本人のウナギ好きが(我々が知らないうちに…)ヨーロッパウナギをほぼ絶滅させて
日本のウナギも近い将来そうなるのでしょうね。
漁業はたくさん獲れば「お金は増える」けど1匹当たりの単価は下がって資源も減る。
そして魚は成長しますから「大きくなってから」捕獲することは効率が良いのだけど
「競争」ですので、「ちょっと早目にたくさん獲って…」と皆が考えますから
どんどん幼魚捕獲につながっていく。
けれども「養殖」となると
自然界のある意味無料であるエサが有料になるわけですから
「養殖」という経済行為自体が黒字になるには
補助金か?魚の価格じたいがウルトラ高価に売れないとならない訳で
「養殖」ってそんなに税金を注ぎ込んでた!なんて
わたしは恥ずかしながら知らなかったです。
もちろん漁業だけが問題ではありません。
これは森も実に似たような構図なのです。
わが国は、ほぼすべてのカテゴリーはこの構図でしょう。
小さな例をあげると国産材ならまだいいけど…
「地域材」…「都道府県産材」となると
もう我が国の木のトレーサビリティは滅茶苦茶な印象があります。
話を元に戻しましょう。
この著者は学者さんで、こんな腹の座った学者さんがまだいるんだなぁ…って
そこにも心動かされました。
先日、森と木とヒトに関する官民産学…様々なヒトが集うイベントにて
懇親会でひとりひとりに意識して聞いてみたんです。
「お仕事楽しいですか?」
なんと「楽しい」はひとりもいませんでした。
皆が「赤鬼と青鬼」を多少でも背負わないと
今の仕事を継続できないことに気づきもがいているのです。
役人さんはかつては国家に奉仕という夢に燃え…
デザイナーさんは大企業にはいって自分の力で人々にhappyをふりまく夢を見て…
みんなかつては「希望に燃えて」競争に勝ち、社会に入ったのにね…。
希望がかなって、あとは夢をかなえるだけ…となって
夢はかなわない事を知り、つまらない仕事を消化していく。
たった数人の家族の為に多数のヒトが不幸になる仕事を続けていく。
「いつまで理想ばっかの青臭いこと言ってんだよ。だから売り上げが伸びないんだよ!」
希望を持った若き能動者の青(臭さ)を排除しての青鬼化こそが
この国の社会人教育なのであろうか。
「じゃぁ、つまんないのを減らしていけばいいんだよ。」
1日に1週間に…1か月に1個づつでいいから
「つまんない→楽しい→はたを楽にしていく(はたらく)」を増やしてく提案。
極めて日本的なもたれあいの構図からの脱却も
極めて日本的に果たせないものでしょうかね。
無理なくみんなが少しづつやり続けていって
「あれ?いつの間にか明るくなってたね。」(笑顔)
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