『百年杉』の専門会社 加藤木材

ドイツ~オーストリアあたりの
建築家の講演を同時通訳で聞いていると
1時間に1回は言う。

「なぜ木を使うかというと
世界中で千年以上使われて
無害が立証されている素材だからだ」

まさにバウビオロギーの思考。

人間の叡智こそに価値があって
人間の叡智のみが人間を幸せにするという考え方。
一神教の思考とも折り合いが良いのであろう。

わたしたちの考え方はだいぶ違う。

現代人は植物との距離感が離れすぎている。
それでは子どもたちも
もって生まれた素質を開花できずに苦しむだろうし
わたしたち自身もその維持に苦しんで
枯れるようにお星さまになれまい。
製薬・対症状医療業界の餌食。

着る植物の質…
食べる植物の質…
住む植物の質と距離感という

「生涯を通じた植物との素敵な関係性」こそが
人生における幸せを得ていくための
大きな留意点なのではないのだろうか…。

似たように聞こえても
ゼンゼン違う。
一神教と多神教くらい違う。

わたしたちは
手柄を自己ではなく植物や先人に全部渡します。
わたしたちは植物を求め続ける生き物であるという
考え方なのだからね。
手柄は全部植物へ…大地へ…土壌へ…先人へ
われらは自然界に生かされていくという基軸。

具体的には「学問の礎」たる欧州には
「害のないような木」はあっても

鎮静効果によって眠りを促進する香りの木(=杉)も
覚醒効果によってシャキッと交感神経パキパキの香りの木(=桧)も
その香りによって特定の虫が来なくなるような香りの木(=クスやヒバ)も無い。

そればかりか「薬草」もほとんど無いし
お野菜の種類と生育期間も
わが国に比較すれば極端に少なく短い。
だから他国を侵略し続けてきたのかもしれない。
そしてその侵略のための学問。

欧州には、たいしたことのない植物ばかりと言えば
植物業界人として「天にツバを吐く」ような言葉なのであるが
わが国との「植物の質量」の比較においては
これくらい刺激的な言葉を使っても「言い過ぎ」ではない。

だから
「害のない素材の木を使って
人間の叡智によって素晴らしい家や社会を創っていく」のような

「おごり」のチラリズムのような思考につながっているのであろう。
木や土のような
人間が造形不能な
ありがたく偉大な存在への感謝から始まらないのである。

初回に記したように
建築人が「植物主義」たるわたしたちとの比較において
木(杉)に関する情熱や知見や経験が
90~99%減になってしまう
その大きな背景には
このたいしたことのない植物しかない欧州初の学問が
建築という学問の礎である点があるように思う。

木は害が無いから使うまでさ。
だから安ければいい。

家を建てる~直す際に
まず決めるべきは「いっしょに住む植物の樹種と部位とその質」であろう。
そう…ヒトを決めるのは
最後でいいのである。

「ホモサピエンスという生き物の元気な生存の持続」
という命題から考える具体策としてはそうなるはずである。

「♪植物いちばん~人間にばん。
3時のおやつは白糖抜きで~♪」のような
歌を林材業界は創るべきであろう。

害の無い木では
本来得られるはずの睡眠を取り戻せるような
寝室づくりは不可能である。
やはり杉が必要なのである。

世界的に著名な建築家と勝負してもいい。
杉無しの建築家の設計した寝室と
【百年杉】の日曜大工の寝室の安眠比較である。
おそらく日曜大工の圧勝であろう。

やはり深い眠りが可能な寝室を増やしていくには
木が100%の人間が
90%減の人間を押しのけて
前にでるしか方法論は無いのである。

植物人にとって
建築人は敵では無いけど
「味方」でも無いのは
はっきりしているはずである。

しまった「杉と睡眠」を書く場所がなくなってしまった。

(つづく)

有限会社 加藤木材
〒350-1312 埼玉県狭山市堀兼2348-1
TEL 04-2957-9444(月~土 9:00~17:00)