『百年杉』の専門会社 加藤木材

対談2「香り…嗅覚」

脳に直結!高性能なわたしたちの鼻

~毒ガスイチコロ、ホントは香ってる~

加藤: ぼくは約10年前に「わたしたちのからだは毒水飲んでも死に損なうけど、毒ガスイチコロの仕組みになってるのよ」という金言を、ある医療従事者の方にいただきまして(笑顔)…「屋内空気質(=Indoor Air Quality」の重要性を学びました。

小倉: 「毒ガスイチコロ」って(笑)ストレートで分かりやすい表現で面白いですね(笑)。

加藤: それから小倉先生のお陰で「五感」を勉強しました。わたしたちの「五感」は全て胎内で備わってから産まれるらしく、一番早く身につく「五感」はなんと嗅覚で…そんなところにも毒ガスイチコロのからだの仕組みが表れてるんだなぁ…って納得がいったのを覚えています。

小倉: その通りですね。まだ視力などの感覚器が成長段階で、危険を察知するための本能的な防衛能力ですよね。子どもだけじゃなく、大人になっても、「危険な香りのする」「嗅ぎ付けた」などの表現があるように、嗅細胞が私たちの生活を無意識に左右しています。

加藤: 確かに…。

小倉: 「触感」と同じように、鼻もわたしたちに備わっている高感度分析機器のひとつです。鼻の細胞である「嗅細胞」があらゆるニオイ(粒子)を自動的にキャッチしています。この嗅細胞はヒトの細胞の中で最も原始的な神経細胞と言われています。そして、唯一脳に直接神経線維を伸ばしている細胞です。つまり脳に直結しているため、快・不快を瞬時に判断することが出来るわけです。

加藤: 毒ガスが直接脳に…イチコロなはずですね…。

小倉: 犬の鼻が良いことは多くの人が知っていますが、わたしたち人間の鼻も、高性能機器と比較しても負けることのないセンサーであり、非常に薄い濃度でにおいを感じ取ることができます。例えば、アミルメルカプタンという強いにおい物質は、東京ドームの中にわずか数cc程度含まれるだけでも、わたしたちはにおいを感知できると言われています。その程度の濃度では、分析機器を用いても濃縮しない限り、この濃度を直接検出することはできないそうです。

加藤: 皮膚もそうですが、嗅覚も…ぼくらのセンサーって凄いですよね。ただこういった“いのち”を守るための「五感」をあえて鈍くして…注意報・警報を切って…身を守る…いや守れないんだけど…精神を保ってるというか…そんな人が多いのでは…という気もすごくしますね。いろんな方々からの問い合わせなどを聞いて、ぼくはそんなふうに感じています。

小倉: 細胞はストレスに順応性があるんですよね。防御反応の一つですから大切な機能ですけれど、実際にそこにあるのに無いように感じてしまうというマイナス面もあります。「冷え」を例にとると、長いこと冷えた状態で過ごしていると、いずれ冷えていることに気付かなくなることがあります(順応、または鈍麻)。サーモグラフィーという皮膚の温度を測定できる機械で見ると、皮膚の温度が低下している部分があっても、自分でそれを敏感に感じ取ることができなくなってしまいます。これを長期的に放置すると、いずれ「機能の破たん」というようなことになりかねません。

いびき・イビキ・鼾…どうして減るの??

~鼻孔全開!イイ空気!!~

加藤: そうなんですね。私は約10年間に渡って【百年杉】をいろんな方々にお届けしてきたのですが…多く耳にしたのは、先ほども話に出ましたが、「いびきの消失~軽減」です。床を【百年杉】にしたり…ベッドを【百年杉】にしたり…「いびきをかかなくなった…小さくなった…」というご感想は、ほんとに多くの方々に頂戴しました。

そして…今も頂戴し続けています。それで何でかなぁ~??とずっと考えていたわけです。だって触ってるわけじゃないし、しばらく使うと匂いに慣れてしまい、最初より匂わなくなったというようなことも言われたりする。だから何が関係しているのか、まったく分からなかったわけです。

小倉: 鼻の細胞は高性能なだけに、他の感覚と比べて順応しやすいですからね。でも、感じなくなったからといって匂いが無くなったわけではなく、ずっと香り続けています。細胞が働いている以上、無意識でも脳はキャッチし続けています。そういう意味では、休む間もなく働いてくれているわけです。だから寿命が短い。約20日から30日ぐらいで新しい細胞に入れ替わると言われています。

加藤: なるほど…わたしは…脳が【百年杉】の香りの吸引を心身に有効と考えて、恒常性維持活動の一環として、鼻孔全開の指令を出しているのでは…と考えたりしました。そしてその逆に、日頃は今やどの家にもある…屋内の微弱な化学物質入りの空気の吸引を嫌って鼻孔を絞る指令を出していて…だから一夜にしていびきが軽減されているのだと考えてみたり。

空気を吸い込む

小倉: 鼻孔全開って面白いですね(笑)。でも、本当にそうかもしれませんね。森林浴っていう言葉がありますが、人は空気の良いところに行くと、自然と息を大きく吸い込むじゃないですか。ガス交換が盛んになるスイッチみたいなものが、ある一定量存在すると、人は自然に鼻孔全開(笑)でガス交換を行おうとすると考えるのは自然なことです。

加藤: 脳は「毒ガスイチコロ」のからだの仕組みを知っているから、空気の質には臆病なのではないでしょうか。
あと「鼻呼吸のできない子」の増加…。副鼻腔炎の人が300万人…。
そうなると口が開きっぱなしだから口腔乾燥症(マウスドライ)の方々は
なんと800万人~3000万人!!…
口内が乾くと口内の菌の質量が減るから侵入するウイルスをやっつけきれなくて侵入を許してしまう…。

小倉: 憶病なんじゃなく、敏感なんでしょうね。細胞は自分たちも死なないようにからだを守ろうとする能力が高い。その能力にわたしたちも守られているわけです。
前出の森林浴の話ですが、空気のいいところや山などの自然の中に入った時に、人は思いっきり空気を吸って、「いい空気!」「おいしい空気!」ということを感じますよね。それって、科学的に立証しなくても、個人個人がみんな自分の身をもって立証していますよね(笑)。

加藤: 確かに(笑)。 森林セラピーとかハイキングとか、いろいろな効果が言われてますけど、自分の感覚で…もう実証してるね。

小倉: 加藤木材さんとお付き合いさせて頂いて私が不思議に思うのは、森林浴とかハイキングとか、そういった自然がたくさんあるところでなくて、都会の小さな部屋の一部(例えば寝室のすのこだけ)を加藤さんが作られている【百年杉】製品に変えただけで、それと同じような現象が起きることです。例えば、当院のドアを開けると、多くの方が深呼吸をすることに気付きました。これはおもしろい現象です。

わたしたちのからだにはホメオスタシスという恒常性を維持する機能が備わっていますが、恒常性を維持するためには酸素が必要不可欠で、それを部屋の中で獲得しようとする反応が出るのはとてもおもしろいことです。

百年杉で作られた施術台

加藤: 治療してもらえる安心感というのもあるのでしょうが、前出の素足の例のように面白いですね。いわゆるわたしたちが自意識のもとに命じてのアクションではなく、夏季~冬季の体温調節のように、からだが勝手にバランスをとるというか…そういう機能ですよね。

小倉: そうですね。わたしたちのからだはたくさんの細胞で成り立っています。筋肉のように伸びたり縮んだり変形する細胞、 脳の細胞のように神経伝達物質を分泌して他の細胞に情報を伝える細胞、 嗅細胞のように匂いを感知する原始細胞など、それぞれの細胞がいろいろな仕事を担当していて、その働きの組み合わせによって、からだの内や外の環境の変化に関わらず、生体の状態が一定に保たれています。

多少無理をしても直ぐに病気にならないのはそのためです。

出典:人体 ミクロの大冒険 NHK出版

加藤: なるほど。【百年杉】の香りが鼻孔拡張をもたらすのなら…酸素吸引量の増加という恩恵もありそうです。【百年杉】が身近にあることによって関節痛などの緩和のご感想(年配の方に多い)もいただきます。最初は意味不明だったのですが…からだの隅々までどの部位も欲している酸素なのに…屋内で使われているいろいろな化学物質などをできるだけ吸引しないために、慢性的に鼻孔閉塞状況?いわゆる「酸欠」という状態だったのが、【百年杉】の香りで酸素が充足することによる炎症自覚症状の緩和と考えれば納得がいくんですよね。

無意識に求められてる!「感じる化」への一歩

~脱!睡眠障害大国ニッポン!~

木の香りが好きな子供

小倉: 一問一答というわけにはいきませんので、実際の作用機序についてはデータが出ることを期待して待つとして…実際に酸素を取り込む量が増えてその結果、血管反射が起きて…など、その可能性は十分あるでしょうね。みんな経験があると思いますが、好ましくないにおいの中では無意識にでも、呼吸を少なくする。または、「息を殺して」などという言葉があるように、緊張状態の中にいるときは、呼吸量を減らすということがあります。

それから、酸素を取り込む量というのは二酸化炭素を吐き出す量に関係してきますから酸素を取り込むだけでなく、ガス交換が円滑に十分行われていることが必要です。杉は空気中の二酸化窒素を約80%も吸着固定してくれるだけでなく空気浄化作用も高いことが報告されていますから、ガス交換を円滑にするにはとても優れた自然の素材ということが言えます。

加藤: 何事もバランスが必要ってことですね。

小倉: そうですね。働いている細胞の邪魔を極力せず、手助けするようにからだの手入れをするのがよい生活習慣、悪くするのが悪い生活習慣、バランスが破たんした状態が病気の発生です。

細胞のこうした働きを、無意識の情報も含めて、手助けするような環境を身の回りにつくる、というのが最も必要な方法だと思います。そういう意味で「杉という貴重な木と生活すること」が、わたしたちにどれほどよい生活習慣に繋がることかを基本に立ち返って考えてみると、とても大きな存在だということが言えると思います。

加藤: なるほど。良い方法と悪い方法という正解と不正解という考え方自体がからだの仕組みにそぐわないのですね。幼いころから必ず正解のある3択問題を早く解くトレーニング“しか”積んでいないわたしたちはすぐに「必勝法」を求めがちです。

小倉: 私は加藤さんと出会ってから、これまでとても面白い経験をさせてもらっています。東京ガスで一緒に講演をさせてもらったときのこと(2010年3月26日東京ガスPHBCセミナー)です。参加者ひとりひとりのテーブルの前に杉のコースターが置いてありましたよね。すると、わたしたちが話している間中、皆さんがその杉を触ったり匂いを嗅いだりしている(笑顔)。みーんな全員ですよ!しかもずーっと…(驚)。そして、それは多くの方が無意識にされていたと思うんです。

また、ある打ち合わせの際には、机上にある【百年杉】の木片を触ろうとしたらどこにもない。常に誰かが持っていて触っているんです。なかなか私が触れるチャンスが巡ってこない(笑)。キッチンの足もとが冷えるから、とキッチンマットの代わりに【百年杉】を買った人が、後日「うちの犬がいつも杉板の上に居てキッチンの杉を占領していて踏んでしまいそうになる。だから犬用にもう一つください」との話ですとか…。これって無意識の表出そのものだと思うんです。

林材新聞「夜間多尿の消失」という感想

加藤: ははは。「求めている」…「求められまくってる」…ホメオスタシスじゃん!!(笑)こんな時代だからなのでしょうか。ソーシャルマガジン「ソトコト」さんに応援していただいて新宿御苑のロハスデザイン大賞に出展した際に【百年杉】の香りを好きか嫌いかのアンケートを実施した結果、実に97%の人が「好き」でした。

そののちに、ある広告代理店の人にその話をしたら「支持率97%の香水を作れれば、その人間はもはや神だよ。ビルゲイツなんてもんじゃないよ。香りの好みは千差万別。もしそれが本当なら遺伝子レベルで杉と人間は結びついてるのかもしれないね。」と言われましたが、「もしそれが本当なら…」って言われても…だって事実なんだもん(笑顔)。

小倉: たしかに支持率97%というのは凄いですね。そして最近、加藤さんがよくやっている…「50年杉~百年杉~200年杉」の3つの「香り比べ」も楽しいですよね。ぜんぜん違う。全く違う材のようです。加藤さんは私が気付くと、どこでもいつも人に囲まれてますが(笑)、加藤さんのお人柄がこの【百年杉】の香りに包まれてパワーアップしてるから、なんでしょうね(笑)

加藤: ありがとうございます。森の恵み…木の香…とくにベテランの杉である【百年杉】の香りは睡眠にとても効果があるように感じています。それが約10年の間に私がお客様からいただいた「経験」です。

樹齢50年の香りの違いをご体感ください

「寝だめ食いだめ」はできません。寝なければ…心身が続いていかない。
我が国の成人の5人に1人が睡眠障害で、60歳を超えると3人に1人になると言います。しかしこれらは実際に病院に行って「診断」された方々の実数ですから、実際の「眠れない人」は、この数字の数倍はいらっしゃるのではないでしょうか。

そして睡眠薬の服用者は7.4%。歯ぎしり、いびき、目覚め時の機嫌の悪さなど、睡眠に関する何らかの問題を抱える子どもは中学生で7割(2009年厚生労働省研究班 10道県25,211人の集計)にも及び、3歳以下の子どもの1日の睡眠時間はニュージーランドより1時間半も少ない世界最短レベルになっています。

赤ちゃん(3歳以下)の一日の総睡眠時間の比較

百年杉のチップ枕

【百年杉】のお試し…としてなのでしょうが、弊社では「百年杉のチップ枕」の売り上げが増えているのですが、
こうやって数字を挙げていきますと
ため息がでてくような… まさに「眠れない大国にっぽん」の感を持ちます。
弊社の枕の販売はそんな飢餓状態を表しているのかもしれません。

これらの全ての原因とまでは言わなくとも、何千年もの間、お殿様から庶民まで皆が「杉の香」ただよう「住」に住んでいたのに…それをやめて約40年間でのこれらの数字…眠れない大国は「住」の素材の変化の歴史に符合するようにも感じています。そんな現状への具体的な対案が【百年杉】なんです。

対談者プロフィール

【百年杉】の加藤木材 代表取締役 加藤政実
加藤政実:(有)加藤木材…いわゆる百年杉の加藤木材 代表取締役
木の香睡眠研究家。1964年生まれ。高校を卒業後、木材製品市場に住み込みで修行。北海道から九州までの日本の木を毎日担ぎ経験を積む。全国の多様な杉を見て触れて目利きを養い、現在は最高品質の百年杉しか扱わないという経歴により、個体差の激しい杉の「目利き」として存在感を放つ。百年杉を取り入れた建築や百年杉を使った家具しかやらないという旧来の縦割りである…木材流通…建築屋…家具屋でもない素材横断業務の【百年杉屋】の代表である。
はり・きゅう治療院 杉の子堂
小倉洋子:はり・きゅう治療院 杉の子堂 院長。東京大学医学部附属病院勤務。
東京女子体育大学卒業。はり師・きゅう師の国家資格取得後、東京大学医学部附属病院研修課程入所。はり・きゅう 治療院 杉の子堂 開院後、同大学附属病院リハビリテーション部物理療法部門(女性科専門)にて診療にあたっている。現代医療鍼灸臨床研究会(JSMAMR)評議員。全日本鍼灸学会(JSAM)会員、性と健康を考える女性専門家の会(Women’s Wellbeing)会員

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