女と男は、まったく違う生き物である。
わたしはここ10年くらいで
5歳~10歳くらいのこどもたち約8,000人とワークショップをしてきましたし
桑沢デザイン研究所で20歳くらいの学生さんたちとも、5年間授業をお手伝いしてきました。またフジロックの森プロジェクトでは、筑波大学の学生さんたちと一緒にチームを組み続けています。ですからただ会うだけではなく、共通の目的の達成への取り組みを通して、多様な世代の男女とコミュニケーションをとり続ける機会に恵まれてきました。
まず男という生き物は狩人や戦士として進化してきましたから
女性と比較して「五感」が鈍い生き物である感を持ちます。
狩人や戦士の五感が鋭敏では「痛いし辛い」ですからね。
センサーが鋭敏では、狩りも戦いも結果がでない。
「五感」とはママのお腹の中で備わってから
この世に産まれいずる、自己を守るためのセンサーでありレーダーである。
女性がみな、自己を守るための鋭敏なセンサーを持つ理由は
おそらく生まれたばかりの赤ん坊を容易に死なせないための能力であろう。
いちいち検索していたのでは、幼い“いのち”を守りきれないのである。
女性がママになって、赤ちゃんが産道を通った瞬間
それまでほぼ未使用だった脳の領域が活動を始めだすことも
どうやら最近ではわかってきたらしい(NHKのクローズアップ現代より)。
まったく偉大な女性という生き物の身体の仕組みである。
そこを男は論理的な説明ができないと女性を非難する。
まぁ男から見ればそうとも見えるのであろうが
女性との比較において受容可能な範囲としての性能が違いすぎるので…
ロジックばかりを求める男はやはり哀れである。
そして男は、きびしい環境にさらされることを想定して
「五感」を鈍に作られている。鈍であることによってハートを守っている感を持つ。
女性から見れば男性とは…
目もよく見えず、耳もよく聞こえず、匂いどころか味にも鈍感で
気持ちよさも悪さなどにも無頓着な生き物に見えているのであろう。
こんなモノばかり食べ続けてたら病気になっちゃうよ!
こんな家に住み続けてたら、病気になっちゃうよ!
そういう鋭敏な「五感」センサーを通しての未来予測解析行為が
女性の身体の中では、常に正確におこなわれているのか…
弊社のお客様の95%は女性なのである。
ちなみに、残りの5%の男性は、明らかな「違い」を有するオスのような気がします。
うまく言えないけど「違う能力」がある感じがします。
弊社体感ルームにお越しになった女性の方々が
【百年杉】に触れた際に「あぁこれだわ。」という表情をされるのを見るたびに
体内の皮膚~神経~脳~細菌類を含むすべての細胞が
「安全なのか?欲していたモノなのか?」などをあらゆる角度から数値化して
伝承してきた危険物質リストなどと照合しているのだろうか?…
なんて思ったりしています。
鋭敏な五感と解析能力を有していますから
ロジックではなく、身体の真ん中で「感(かん)ずる」が働いて
面前の物質がgoodなのかNGなのか、まぁまぁな品質なのかが…わかる生き物が
女性なのではないだろうか。
わたしは弊社体感ルームでそれを数多く見てきました。
女性は「“いのち”を守るために良いモノと悪しきモノ」が皮膚感でわかる生き物なのだ。
逆に男性はこの「五感」センサーが“鈍”にセットされて生まれいずるので
「狩り」や「戦士」にならないご予定の現代の多くの男性は
このセンサーを「鋭」にする努力や研鑽を積まないと苦しいのではないだろうか。
一流の料理人や左官職人…これらの職業は「五感」センサーが“鈍”では成り立たないので、これらの男性は後天的にご努力された方々なのであろう。
そう考えると私見ではありますが
たびたびご披露させていただいているように
10歳程度までの「経験」は特に男子の場合は大きいのではないだろうか。
そこで一生の「五感」センサーの性能が、ある程度決まってしまう感をわたしは持ちます。
話を男女の違いに戻すと
男は腕力と体力を有するゆえに、「狩り」であり「戦い」をする役回りとして生まれてきているので、脳も2択のような思考になりがちではないだろうか。
具体的に言うと
「鹿は捕れたのか?捕れなかったのか?」
「戦いには勝ったのか?負けたのか?」という2択である。
よく男性と話していると
話の途中で「結局、それで仕事になったの?」みたいに言われることはないだろうか。
「とてもキレイな景色でさぁ…もう荘厳な厳粛な雰囲気でさぁ…」
「ところで、結局、鹿は仕留められたの?」
という感じである。
「いくらイイ景色を見たって、捕れなきゃ意味ないじゃん。」
乱獲なんかもまさしくそうで
根絶やしにする寸前まで「捕獲しなきゃ意味ないからしょうがない。」という2択思考から抜け出せずに、結局「捕獲する獲物」を絶滅させてしまったのは、男の2択思考が働き続けるからではないだろうか。漁は超男社会だから、そこから逸脱できない。
今ならニホンウナギがまさにそうらしく…
もうここからはいくら保護しても回復できないレベルであるというご指摘の先生もいらっしゃるのだが、ウナギ屋さんからも畜養業者さんからも、その声は出ないままである。
これはおそらく「根絶やし」まで続くのであろう。
わたしは好物だったのだが、自分から選択して食するのは辞めた。
だって絶滅がほぼ確実な魚を食し続ける行為なんて、わたしには耐えられない。
勝手に出された場合のみ、美味しくいただくことにしているのだが
もちろん、勝手にウナギが出されるケースはまだない。全く無い。
まぁ、そうは無いことだよね(笑顔)。
この男の「2択脳」のような思考の過ぎた行動をアジャストできるのは
やはり女性の多角的な情報を分析可能な脳のシステムではないだろうか。
現代の「狩りの結果」を「企業の利益」に変換してみれば
「利益を出さなきゃ、意味ないじゃん。」
の男性の「2択思考」の継続が
この国の多くの大企業のここ数年の偽装強度~虚偽検査~虚偽決算につながっていると考えるのはうがった見方であろうか。
食品添加物や農薬…「木や紙なき住まい」もそうですが
千年間続いてきた持続可能な安全な方法より
安価な化学物質を産みだしてそれを使用し続けるという
変わらぬ流れも、企業側の求める「利益」という要求に応え続ける
学問や研究者がいるからであり
やはりこの国の突出した超男社会は問題ではないだろうか。
みな、家に帰れば優しいパパなのに…
お仕事の面では「利益が出なきゃ意味ないじゃん。」の2択脳に吹っ飛ばされて
学者も研究者も政治家も経営者も管理職も…その多くが男性であるがゆえに
「ヒトの“いのち”を削って利益」の選択ばかりをしているのではないだろうか…。
ということである。
逆に考えれば男女平等ランキング世界121位のわが国は
女性の社会進出などというあやふやな言葉ではなく
女性のトップリーダーを無数に誕生させるような状況を作れれば
「伸びしろ」満載のはずである。
情熱を有する専門性の発揮という男性の特性を生かして
判断者を女性に委ねるということである。
設計士、社長、市長、知事、総理大臣…これは女性という生きもの向きの職種であろう。
職人さん、部長、大臣…これらは男性向きの職種ではないだろうか。
いつまでも「女性の社会進出」などという
あやふやな目標設定ではなく
女性と男性の違う生き物としての特性の分析や理解からはじめるのはいかがであろう。