『百年杉』の専門会社 加藤木材

この国の恵まれた自然・再生可能資源は
それらを生かすのに必要な腕力を有する男たちによって独占され続け
「恵まれすぎている資源」のこの国の男たちは
「恵まれていない海外」にわざわざ海を渡る必要性もないので
この国に居座り続けたので、女性の社会進出の機会は来なかった。

また、自己の幸せのみに執着し、公利への関心を持たない男社会の国民性も
大枠においては、やはり「恵まれすぎた資源」にあったのかもしれない。
みなで協力しなければ達成できないのであれば、公利の達成や維持のための思考も
芽生えたのであろうが、「恵まれすぎている」ので、なんとかなってしまう。
飢饉はたびたびおきたのでしょうが、「恵まれて」いますから、またやがて豊作期がやってきて、「喉元過ぎれば…」となったのかもしれない。

また、施政者の能力など、ぶっ飛ばしてしまうくらいに
いつでも重要なのは「恵まれすぎた自然資源」のお力のぞんぶんの発揮であり
たまに「大自然」が空振りして、飢饉にならないように「祈り~お願い」することの方が
重要と思えたのかもね。この国のコンビニの数を上回る寺社の数も、そういったことの結果のひとつなのかもしれない。

「恵まれていない資源」の欧州では
やはり公利の達成のために、皆でお金も知恵も出し続けなければ
持続不可能であるから、脱税が発覚した瞬間に社会の中での居場所が無くなって
侮蔑の対象になるのに…この国の「男社会」では「運が悪かったね。」くらいで終わってしまうのである。

ドイツでは製品製造時の環境への負荷を数値化した雑誌が売れて
その環境負荷の低い製品が売れるそうだが
この国では、土に還らない…焼却すれば毒ガスが発生するような
安価な化学物質製家具しか売れていない。

「地球にやさしい」という言葉は間違いであり
「未来のヒトにやさしい」が正しいはずである。

やはり自分ファーストの思考は今でも継続してはいまいか。

たとえばこの国の市民は国民(市民)負担率の話をほぼ、議論しようとしない。

収入当たりの税金の割合と公共サービスの質量とのバランスである。
税金は安い。けれども保証も少ない小さな政府。
豊臣秀吉のようなベンチャーの急成長物語もありそうだが、弱肉強食の世の中に近い。

逆に北欧のような高負担率になると…
ゆりかごから墓場まで~国が面倒をみるので
貯金さえも必要のない世の中である。
されどベンチャーの出現はなかなか無い社会ですね。

旧日本人男子はこの議論をほぼしないで…
「税金は安く、されどサービスは高く、厚く…」と恥知らずに笑顔で語ります。

そんなことでは当然、負担は少なく…されどサービスをたくさん要求しますからね…いらない橋やダムも含めて、物凄い金額の国の借金になるのはこの国の市民の無責任な伝統的気質からすれば当然のことではないでしょうか。

また地政学的にもやりたい放題に拍車をかけていますね。
我が国の上空には常に偏西風が流れていますから、西から東に常に空気が流れています。
高度成長期の東京周辺の大気汚染も東の隣の国がまったくありませんからね。だからやりたい放題でした。東隣に隣国があったらどうなっていたのでしょうね。福島第一原発の汚染水もそうだろうし…これが地中海だったら大変な国際問題ですよね。
そのくせ、中国の大気汚染やPM2.5には文句を言う。

経済界ではここ10年以内で、ほぼ似たような事件が起きています。

まず製造業のパーツとしての品質偽装や耐力不足。
神戸製鋼や川崎重工業などの大企業が、うたっている品質に届かない製品を出荷して
新幹線は亀裂ができて、まさに「あわや…」でした。

そして各自動車メーカーの品質検査の無資格者偽造や
そして、製造にとどまらずに…東芝の長期にわたる巨大な粉飾決算もそうですね。

これらに共通しているのは
旧日本人男子の流れを組む経営者側からの
「安く、早く、儲けを出せ!」の共通したプレッシャーであろう。

「おれにはできた。お前らは何をやっているのだ?!」

江戸時代から続く自分勝手な私利のみの追求を恥じない男社会としての国民性は
高度成長期時代に一気に花開いてしまいます。

「女の腐ったようなヤツだな!」

そういう言葉が飛び交う社会で働いていた男性たちは
女性差別を見てみぬふりをしながら社会に生きてきた生き物でもあります。

そしてこの高度成長期は
猛烈にすべてが足りていない時代です。

まず労働者が足りていませんから
「男」というだけで仕事にありつけて
しかも能力が無くても、努力を惜しんでも、終身雇用で給料は上がっていきます。

そしてとにかくすべてが供給不足の状態なんですからね。
食べるものも着るものも住む場所も…全部が足りない。

だから粗悪なモノでも、なんでも売れて企業は高収益を得続けた時代です。
そして政府はそんな粗悪品製造を繰り返す「業界」を護送船団方式で護っていきました。
参議院全国区に業界から代表者を輩出し続けて、業界の利益を守り抜いていった時代。
高度経済成長期とは、男の政治が、市民を守らずに男の企業を守ってきた「大男社会時代」です。
海の魚を食べただけで…粉ミルクを与えただけで…
”いのち”は切り取られていきました。

「食べ物」ではなく「エサ」のような食べ物や
「住まい」ではなく「(犬)小屋」のような住まい…。

なんでも売れる状況を利用して
粗悪なモノを作り続けて~粗悪品はやがて…化学物質や添加物入りの安価な商品になっていき~混じっていた添加物はやがて添加物が主力になっていって、添加物交じり→添加物まみれになって、まったく別な商品になっていきました。自然素材には「旬」があったりして製造数の限界がありますが、化学物質であれば工場を増やせばいくらでも増産可能ですからね。

勝利至上主義の学生スポーツの男性指導者もそうですね。
だから前述のような
今でも無茶苦茶な要求を部下に指示すれば、目標は達成されると考えているから…
できはしないであろう無茶苦茶安価なのに強度があるかのような部品や
儲けがでていないのに収益を出させる決算書を作り出させたのである。

なにしろ伝統が違う。
江戸時代から脈々と続き…ついに日本人男子は花開いてしまったのですからね。

「おれにはできた。お前らの努力が足りない。」

しかし「できた」のは時代の流れの中の一瞬の時期であるからであり
ある意味、「男であれば、誰でも成功できたような時代」だったからではないだろうか。

これらは氷山の一角でしょうから
おそらくこれからは橋もトンネルも建造物も電車も…
およそすべての男によって「作られたモノ」は
カタログデータより早く崩落して、壊れていくのでしょうね。

男女格差121位という
ほぼ世界トップレベルの継続される「男社会」は

「民主主義が根付かない国かつ政治モラルの脆弱さを産み続ける」
「ヒトの“いのち”を削って収益をあげる化学物質製品の“衣食住”における横行」
「あらゆる製造物・建造物が早く崩壊してしまう世の中」

などなど…様々なよからぬ方向に、つながっているように思えるのである。

最後に記しておくが
わたしは65歳以上の男性に価値がないと言いたいわけではありません。
されど、65歳以上の男性が数百人集まって政治家として組んでいても…
65歳以上の男性ばかりの市長・知事の国では…
その成果もなかなか上がらないのではないだろうか…との考えは持っています。

そしてその理由はこれまで記してきた通りです。

拙文が、65歳以上の男性への差別ではなく、歴史のあだ花としての側面の共有になっていって、分断ではなく理解につながることを希望しますし
「決定権を女性に渡す」という、わが国唯一の大きな「伸びしろ」を生かすための具体策の議論の機会を切望します。
「女性の時代」ではなく、選択肢はそれしかないのである。

女と男の生き物としての違いについては
また改めて記します。

(本稿 いったん おわり)

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